2012.04.30 (仮)ALBATRUS @横浜Grass Roots | 愛輔blog

2012.04.30 (仮)ALBATRUS @横浜Grass Roots

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots001横浜駅きた西口から地上へ上がり、静かに揺れる川面を眺めながら小さな橋を渡る。
地下へと続く階段を降りてドアを押し開けた。
オープン前の店内では丁度メンバーたちが音を合わせている最中だった。
洋平が思い付いたかのように"Get up Stand up"を唄いだすと、隣の竜太くんが軽快にギターを重ねていた。
ドアの外に目を移すと、開店を待ち侘びるお客さんたちが既に列を作っていた。
そんな空気に急かされるように宴の扉が開かれると、どっと雪崩れ込んだお客さんたちで一気に店が埋まっていく。

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愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots003テーブル席は一瞬で埋まり、カウンターではドリンクのオーダーが飛び交う。
ビールの泡のように弾けるみんなの笑顔に入り混じってメンバーたちも夜の始まりを愉しんでいた。
そして時計の針が20:30を刻む頃、たくさんの歓声に迎えられながら4人がスタンバイ。
"ジプシーソング"でライブをスタートさせる。
5人のクルーたちが創り上げた新しい旅立ちの唄が、宵の横浜から出航するアルバトラス号の背を強く押す。
芳しい大地に立ち、風に戦ぐ緑を愛で、優しく降り注ぐ月明かりに身体を休める。

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots002そうして常に自然と寄り添い語り合いながら歩いていく。
そんな生活の上に在ってこそ、僕ら人間の持つ文明や叡智が意義深く、誇り高くなっていくのだろう。
今まさに移っていく時代の行方に目を凝らし、その舵を切るのは他の誰でもなく、僕ら一人ひとりなのだと改めて胸に刻む。
2本のギターが掛け合って、一夜の空間に集った仲間たちを"ようこそ"と迎え入れる。
それを全身で感じるように真樹のベースが空気を震わせる。
おお、みんな惜しげもなくブッ飛ばしてるなーとか思いながらふと左にレンズを向けた時、サックスの元さんは早くも宙に浮いていた。

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots005"Welcome to the ALBATRUS"
重なり合う4人のコーラスが、フロアで躍る聴衆の身体を一際大きく揺らしていた。
続く"祝島帰り"の中で洋平は、
『右も左も兄弟姉妹、譲り合いの精神こそが大切だ』
と強く語りかけた。
グラスルーツのステージとフロアには段差が無い。
元よりゼロ距離に等しかった聴衆との距離を"ミエナイチカラ"で更に詰めていく。
この楽曲に秘められた引力がグイグイ聴衆の心を引き寄せ、その皆から発せられる引力に乗り、メンバーたちもまた、その

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots007開かれた胸のうちに飛び込んでいく。
純も不純も雅も俗も、綯い交ぜに融け合った精神の深淵でジャム。
ミエナイチカラをこの瞳に写す、そんな刹那が確かに在ったと記憶している。
大きな手拍子を誘い出した"コーヒールンバ"でフロアは更に熱を増し、限りある一夜は針を進めていく。
ステージの4人はテキーラをオーダー。
が、ざわめきに掻き消されたか、このリクエストはカウンターまで届かないw
そして洋平が高く掲げた手には一つの箱が在った。

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots006その名もフォースボックス。
一連の義援金の流れに違和感を抱いた洋平が自ら作った、云わばファンファンドなのだという。
彼が彼の独断とセンスの下に、感じ、募り、使う。
このボックスは今後、ライブ会場などで目にする機会も多くなるのであろう。
同じように既存の制度に託しきれない想いを、このフォースボックスに投じるのも一つの選択肢だろう。
派手に大きなパフォーマンスにはならないのかもしれないが、有効かつ優しい気持ちに満ちた支援に繋がることは間違いないだろう。

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots010そして"意識の大陸"の中で洋平は云った。
よくファンから『応援しています』と声を掛けられる。
その声に対して彼は真っ直ぐ叫んだ。
『俺を応援するな。俺はもうやっている。お前を応援させてくれ!』
洋平らしい、とても強く優しい叫びだった。
そして彼のこれまでの実践は、そう叫ぶだけの説得力に足りていた。
"この話は誰のもの、この旅路は誰のもの"
シンプルに、しかし重厚に絡み合うギターとベースに拍動を重ねながら、その歌詞の意味に想いを廻らせていた。

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots014勝手知ったる馴染みの空間の中で、ふらりふらりとメンバーがステージから席を外し始めると、図らずも独り、板に残ったのは洋平だった。
ここで洋平が爪弾いたのは"There is a reward for me"
この瞬間に快哉を叫んだのは僕だけっだったろうか。
洋平の唄うこの曲が僕は大好きだ。
そしてやはり僕だけではなかった。
曲が終わったフロアに響いた大喝采がそれを物語っていた。
ステージに戻ってきたメンバーたちは、先程オーダーしたテキーラが届いていないことを思い出す。
"手芽口土"の一節に乗せて再度リクエスト。

愛輔blog-(仮)ALBATRUS in grassloots009無事に届けられたショットグラスは高々と掲げられ、夜は佳境に突入していく。
沸点を迎えたフロアの盛り上がりは最高潮。
メンバーたちは宙を跳ね、弧を描くようなコーラスが皆を繋ぐ。
洋平は弦の掻き切れたギターを情熱で鳴らしていた。
気概に満ちたステージを終えて皆が一服つける。
容易には覚めぬ興奮を肴にゆっくりと夜は深まっていく。
と思ったのも束の間、ステージでは最後の幕が上がる。
"Redemption Song"から"Feel So Good"まで飛び出した。
そして洋平は最後に云った。
『惜しみなく人を愛する時、それを幸せと云う』     <了>

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