先日のヤマザキマリさんの言葉にしょっぱなからヤられたんこぶ。

「男とか女の差がない、

 自分と虫とか動物との境目を感じない」

わたしが幼少時から感じているアニミズム。

はっさくもカメムシも石ころもカラスノエンドウもハナムグリも、あなたもわたしも、全部いっしょ。

すべてがとうとい。

マリさんと似たような感覚があっても世間体に縛られてるわたしは凡人だなー。

 

 

 

昔からブログ読んでくださっている方は「またこの話?」だと思いますが、

わたしは

蜂になりたい。

菫になりたい。

 

 

植物は生物として最強の形態だとおもうもん。

光と水で生きていける。しかも美しい。誰のためでもなく。

野原でもアスファルトでも、小さな種をこぼしてどこでも咲く菫になりたい。チッチとサリーな世界。

 

10年ほど前、おんぼろアパートのベランダ、

エアコンの室外機にアシナガバチが巣をつくった。

布団や洋服を干すときに「攻撃」と受け取られて刺されるといけないし、

まだ小さかった娘が怖がっていたし、

すこし悩んだけど駆除することに。

 

どうせならこの巣を観察して夏休みの自由研究にしようと息子に促し

一緒にアシナガバチについて調べた(手出し口出しママンだから・・・・)。

 

巣に餌を運んだり卵のお世話をする個体はすべて雌だとわかって驚いた。

彼女たちは卵を守り、育てるためにその生命の全てをつかっているんだ。

 

巣に駆除スプレーをする前に、室外機じたいを網でおおってアシナガバチが入らないようにした。

外で蜜をみつけて運んできた彼女たちは、幼虫に食事を与えようとして戸惑う。

どこから入り込もうかと網のまわりを逡巡あたように飛び回り、

狭い網の穴に頭をつっこみ、格闘している。

室外機からは熱風が吹き、小さな身体は吹き飛ばされそうだけど、決してあきらめない。

その可憐さに、見とれて時が過ぎるのを忘れてしまう。

ああ、こう見ると美しいフォルムだなあ。

これはキアシナガバチっていうんだな。

自分の使命を果たすことだけで生きてるんだな・・・

 

巣にビニール袋をかぶせ、殺虫スプレーをかける。

袋のなかをあけると、

まだ卵のかたちをしたもの、孵化しかけているもの、もう幼虫になっているもの、
それぞれがぼとぼと、と落ちた。

巣の周りをうろうろしていた成虫も、羽を震わせてはらりはらりと命を落とした。

わたしが殺した。

 

 

 

蜜集めから帰ってきて、巣がなくなっているアシナガバチはさらに困って
右往左往していた。
これからどうするんだろう・・・

最大の生きがいを失って、それでも嘆いたり失望したりしないんだ。

 

自分の手で大量殺りくしたアシナガバチに、この時から魅入られた。

くだらない有象無象で悩んでばかりのわたしに、アシナガバチは気高く見えたのだ。

うつくしい「生きる」に見えた。

 

 

虫になれば、花になれば、

死にたい、消えたいとまで狂おしく悩みはしないだろう。

誰かと比較したり恨んだりねたんだり、しない。

 

 

でも、悩み苦しむのが人間の特性なのだと、ヤマザキマリさんも言っていた。

すこし似た話を二村ヒトシさんとしたのを思い出す。

 

もともと生命って植物のままでよかったのに

外敵から身を守るために動く、ステイではなくムーブが必要になり「動物」になった。

動物が言葉をもち人間になる。

それじたいが苦しみとなる。

言葉を・・・もつ?どうやって?必要だったから?

言葉は人間が生み出したのかな?
そうじゃなくて、言葉に、人間が使われているのだとしたら・・・?

 

生き延びるために必要な生殖行為である性行為に、

アシナガバチは悩まないだろう。使命を果たす行為のひとつ。

けれど、多くのひとが喜んだり悩んだり苦しんだり願ったり傷ついたり浮かれたりする

(性に関心がなかったり感情をあまりつかわないひともいるけれど)。

 

二村さん「なんでセックスってこんなに(心の穴に)触れてくるんですかね?」

かなこ「なんでですかっ?」

二村さん「なんででしょうね?わかりません」

 

わからないの?

二村さんもわからないの?ほんと?ほんとは知ってる?

 

じゃあ考えよう。考えて、話そう。語り合おう。

わたしはアシナガバチにはなれない。どこまでも人間だ、

だから人間として、特別なツール「言葉」を使って探求する。

「考える」「語る」「聴く」、人間だからできる、最高に面白い行為だと、わたしはおもうのです。

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性をテーマにした哲学対話を主催します。

「変態さんの集まる場」ではありません。

性の経験を暴露し、自慢したりネタにするのが目的でもありません。
ご自分のこころとからだに真摯に丁寧に時間をかけて向き合うイベントです。

 

 

 

セックスに「良い悪い」はあるのか

~セックスと心は、つながってるの?~

 

 

ゲスト:AV監督 二村ヒトシさん『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』

                    『すべてはモテるためである』等著作多数

哲学対話ファシリテーター;安本志帆さん

 

 

 


 

■日時:10月5日(土)

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