今年の1月に初めての小説を書き上げ、ようやく2月に入ってから浅田次郎先生の最新作「天子蒙塵」の第1巻と第2巻を買って読むことができました。

「天子蒙塵」は文芸誌の小説現代で連載中の小説で、浅田先生の名作「蒼穹の昴」から続く物語です。

「蒼穹の昴」が出版されたのは1996年の4月ですから、浅田先生はこの物語をもう20年以上も書き続けておられます。

私は「蒼穹の昴」が大好きで、その続編である「珍妃の井戸」、「中原の虹」、「マンチュリアン・リポート」も全部買って読んできました。

この「蒼穹の昴」シリーズは、まさに浅田先生のライフワークですね。

「蒼穹の昴」は中国の清朝末期の西太后の時代が舞台でしたが、最新作である「天子蒙塵」では満州国建国について書かれています。

一昨年、たまたま近所の図書館へ行った時に小説現代を見つけ、浅田先生が「天子蒙塵」を連載されていることを知りました。

学生時代から満州国に興味のあった私にとっては、まさにぴったりの作品でした。
こういう小説が読みたかったんだよなあ。

それからしばらくはその図書館へ通い、小説現代のバックナンバーを探して、「天子蒙塵」を最初から読みました。

今も月に一度、図書館へ行って小説現代の最新刊に載っている「天子蒙塵」を読み続けています。

私が浅田先生の小説を初めて読んだのは、直木賞を受賞された短編集「鉄道員」でしたから、もう20年前ですね。

当時は司馬遼太郎先生が亡くなり、好きな作家がいない時期でしたので、「鉄道員」を読んで泣かされた私は浅田作品の魅力にすっかりはまりました。

それから浅田先生の本を読みあさるようになり、現在に至っています。

浅田先生が書かれた小説はほとんど全て読んでいますし、本も60冊ぐらい持っています。

浅田作品の魅力は、その多様性にあると思います。

浅田先生は「小説の大衆食堂」と自称されるだけあって、現代小説から歴史小説に至るまで、実に様々な小説をたくさん書いておられます。

私が特に好きな作品は、「蒼穹の昴」シリーズと、映画やドラマにもなった「壬生義士伝」です。

「壬生義士伝」は幕末の新選組について書かれた小説ですが、何度読んでも泣けるお話です。

映画やドラマも良かったですね。
映画では中井貴一さん、ドラマでは渡辺謙さんが主演でした。

浅田作品はエッセイもいいですね。
特に「勇気凛々ルリの色」は昔のエッセイですが、今読んでも面白いです。

この20年を振り返ると、私はつねに浅田次郎先生の作品とともに生きてきた感じがします。

仕事で疲れていた時も、週末に浅田作品を読むのが最大の楽しみでした。

浅田先生の作品は、文章がいいんですね。
現代の日本の作家のなかでは、文章の巧さは一番だと思います。

今回、自分で実際に小説を書いてみて、浅田先生の作品と比べてみると、やはり文章力が段違いだと痛感しました。

「天子蒙塵」を読んでいると、「なるほど、こう書けばいいのか」と気づくことがたくさんありました。

私にとって、浅田次郎先生は「小説の神様」です。

浅田先生にはこれからもたくさんの素晴らしい作品を書いていただきたいです。

私も浅田先生の文章を模範にしながら小説を書いていければと思っています。
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