ニュースが報じられています。
校正中だった、私の
新聞用、ウェブ用のエジプト記事は
宙に浮いたままです。
エジプト近隣諸国への取材旅行も
日程が二転三転しています。
でも、私が受けた影響は
エジプトの皆さんや近隣諸国の皆さんが
受けた被害に比べたら微々たるものです。
今日のニュースでは、
エジプトの観光産業に関する
データが報じられていました。
エジプトのGDP(国民総生産)に占める
観光産業の割合は10%以上だそうです。
そして、1月25日以降、
観光産業に従事する
20万人以上の方が失業したそうです。
カイロの土産物店の方が
インタビューに応えて言いました。
「観光客はエジプトが好きだから、
1カ月もすれば、きっと
またたくさんの人が来るよ!」
本当に、そうあって欲しいと思います

2004年のスマトラ沖地震の際、
プーケット、モルディブといった
観光で成り立っているような地域が
被害を受けました。
連日の日本の報道では、
津波の衝撃的な映像や、
もっとも被害を受けた地域の映像を
繰り返し流していました。
津波被害の直後、プーケットの
とある高級リゾートの支配人から
メールが届きました。
「寄付をするのもいいけれど、
我々がもっと必要としているのは、
皆さんが遊びに来てくれることです」
という内容でした。
プーケットでは、
津波の被害を受けた地域はほんの一部。
90%以上のホテルは無傷でした。
でも、観光客がパッタリと来なくなり、
観光産業に従事する方たちの
収入が激減したのです。
被害を受けていないので、
彼らには義援金も届きません。
津波の被害の後に、
「風評被害」という
二次災害に遭っていたのです。
最初に戻ってきたのは
ヨーロピアンの方たちでした。
ヨーロッパの旅行雑誌も
こんな時だからこそ、と
被害を受けた観光地へ読者を誘う
特集を組みました。
が、日本のメディアは
「イメージが悪い」と掲載を中止。
私自身も取材キャンセルが相次ぎました。
現地は大丈夫と、雑誌やウェブに書き
新聞記者の方にも書いていただきました。
が、災害被害の記事は
一面で写真入りで大きく取り上げられるのに
風評被害に遭っているという記事は、
とても小さかった……。
津波から半年後に
プーケットに行ったとき、
現地の観光業の方がおっしゃっていました。
日本から来た新聞記者の方に
「一番被害が大きな所はどこですか?」
と聞かれて、怒りを覚えたと。
観光地に限ってのことではありますが、
被害を大きく報道することは、
諸刃の刃です。
義援金は集まるかもしれませんが、
観光業は打撃を受けます。
今回のエジプトは
まったく事情が違いますが、
観光業が打撃を受けているという意味では
共通していると思います。
早く、皆さんが安心して
ピラミッドやスフィンクス、砂漠を
観光できるよう、強く願っています。
そして、エジプトの観光業の皆さんが
もとの暮らしに戻れますように

たかせ藍沙