葬送儀礼のセミナーにて。 | あいせきさん

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社長の『雨』です。

今日は、ある宗派本山別院にて

葬送儀礼についてのセミナーがあり

百人以上が参加する中々大きな会合でした。




天岸先生という住職は、

お年を召しておられますが、

柔軟で時代を組み入れ

更なる布教の形を模索しながら

宗教者を引っ張るリーダー的存在でした。

カリスマ性満開でした。




半分は寺院と信者で埋め尽くされた会場。

墓石屋は私だけだったでしょう。


シンポジウムの最中

寺院から大きい組織の業者に

式中初七日なんてなんでやるんだ!

そんな叫び声が飛びました。

宗教儀礼ではあり得ない。

また、それを大きな組織が大々的に宣伝するな!当たり前に人は勘違いする。

との事。


業者の答えは簡単です。

お客様がそれを望んでいるからです。


しかし、天岸先生やコーディネーターは違いました。

寺院が、

宗教団体がそれを受け入れるから。

仏教会が、

そこを大きな問題として捉えていれば

社会問題になってると。




ある業者が立ち上がりました。

弁護するわけではないが、

東京では火葬は民間。

優先して予約を割り込んで組める会社もあるだろう。

逆に過渡期に予約が取れなければ

霊安室に1週間安置されているケースも少なくない。

関東は亡くなった当日から数える。

慣習の違いより、教義優先とします。

7日後、火葬は初七日を過ぎている。

どうしますか?


その叫んだ寺院は黙ったままでした。


天岸先生は言います。

あり得ない。分かってる。

式中に初七日などあり得ない。

しかし、

タイやアメリカに居る息子や娘

初七日に改めて呼びなさいと

言えない世の中の事情もある。

時代は変わってきています。

息子娘が隣村に住んでいる時代ではなくなった。


叫んだ寺院は黙ったままでした。


パネリストの業者が言います。

寺院の皆様、考えてほしいです。

檀家をやめたいと、たくさん相談受けます。

菩提寺があるのに、

寺院を紹介してほしいと言われます。

何故でしょうか。

私たちは、

相談された、菩提寺とよく話し合ってください。

と言います。

しかし、寺院を紹介してほしいと言われたら紹介します。

是非、このような相談を減らすような取り組みを、皆さんと進めていきたいです。


正しいですょね。


人が救いを求める、望む所に社会貢献があります。

ビジネスも痒いところに手が届くから、ニーズに合うし感謝されます。


最近よく想うことですが、寺院は死者を極楽へ送る職人になってきた。

極端に言えば、読経職人です。

どれだけ上手く読経出来るか。

昔と違い、グリーフケアの役割は捨てて、

読経で死者を弔うしか出来ない職人になった。

だから信者を獲得する営業は出来ないのでしょうね。

大きなお金ばかり求める精神は、

小さなお金はいらない精神となり、

結果、

小さな仕事を増やさないから新規との縁が減る。

悪循環です。



社会企業家という言葉が好きです。

自分も、そうありたいと頑張っています。

ビジネスでやっている以上、生活の為、お金のためです。無料では出来ません。

社会企業家とは、ボランティアをビジネスにしている企業家を言います。


宝塚妙見寺の妙信先生は、

原爆の落ちた広島で眩しい光をみて、

どんよりし始めた空を見て

異変を感じ爆心地近くまで山を越えて歩いて行き

凄まじい状況を見ました。

焼けただれて顔が分からない人の歩く姿

荷車に山積の死体

川を埋め尽くす死体

冷静に見て帰った先生は、巻き寿司を作りました。

そして、爆心地方面に向かい巻き寿司を売りました。

売ったのです。

鬼!などと言う人はおらず即完売。

何度も作っては往復したそうです。

売った人は偽善者ですか?



それを聞いて

無料で良いだろ!とか

金取るなんて酷い!と思った人がいるなら、

貴方は出来ましたか?


私は妙信先生を社会企業家だと思います。


母は帰らぬ主人を想い、三人の子供達を育てていかなければなりません。

でも、やはり、少しでも人々を助けたい。

でも、無料にすると自分の生活は困窮する。

困惑の骨頂から生まれたプランだったでしょう。

妙信先生は僧侶となりました。3億もの資金で寺院を建てました。

人を救うために。

無料では出来るボランティアもあります。

儲けてから出来るボランティアもあります。



儲けながら出来るボランティアもあるはずです。

寺院の皆様にも社会企業家の理念を持ち合わせて貰いたいものです。

すでに、そういう取組を行っている寺院も沢山あるので、その点は先にお詫びしておきます。


教義は人の上に成り立ちます。

信者のいない寺院で、どんな教義を誰に説きますか?



看護師さんや介護士さんは、給料がありますが、ボランティア精神が無いと成り立たない職業だと信じて疑いません。



私たち葬祭業も、給料で生計を立てております。

しかしながら常にご縁あった方のグリーフや満足度を考えているボランティア精神のある人が多いです。


是非、寺院は自らが先導し、社会企業家としてボランティア精神を見せてほしいです。



私はグリーフケア二級を持っていますが、寺院がしっかりしてたら、このような資格は生まれなかったでしょう。


お布施の高い安いより、寺院の精神に対する対価だと理解してほしいです。

そんな想いが募るセミナーでした。

まさに、仏のもとに集まった皆様の中で

必然、佛縁ありがとうございました。