初演が終わり、いつもの日常に戻りましたニコニコ

 

まだ記憶がフレッシュなうちに

『レクイエム』の思い出というか、

どのような旅路を経て初演にたどり着いたのか

書いていきたいと思いますあしあと

 

 

 

私が初めてこの作品を踊ったのは2017年。

前に働いていたヴロツワフオペラで

ワールドプレミアをしましたピンク薔薇

 

下っ端で列の一番後ろで踊っていたし

出番は少ない方やったけれど、

この作品は大好きやったし

いくつか小さなソロを貰って

一生懸命頑張っていた記憶がありますニコニコ

 

そして去年の年明けに

うちのオペラで同じレクイエムをやると

発表があり、作品の重さを思い出して

久しぶりに大変な仕事や…と思うと同時に

絶対にいいものにしようと決意もしました。

 

 

去年の3月にリハーサルが始まったけれど

たった3回リハーサルをしただけで

コロナでロックダウンに。

 

 

初演は無期限延期となってしまいました。
 
8月新シーズンからは仕事に戻れて
10月にプレミアを予定して
毎日死に物狂いで厳しいリハーサルをしました!

 

 

 

疲れが溜まって身体をコントロールできなくなり

脱臼癖がひどくなって

些細なことで肩が抜けるようになってしまったり

 

アシスタントで来ていた
振付家の奥さん(そしてヴロツワフ時代の監督)に
嫌われて、一人夜中までスタジオに残されて
バレエも人格も全てを否定されて泣かされたり(笑)
 
この2ヶ月は本当にいろいろありましたえーん
 
それでもなんとか負けずに頑張って頑張って
プレミアは目前!というところで

 

 

延期になってしまいましたえーんえーん

 

 

この時は落ち込みました(笑)

 

脱臼は痛いし怖いし

リハーサルは厳しいし

アシスタントの顔は一生見たくないし

 

体力的にも精神的にも限界だったので

あともう少しだけ頑張れば

解放される…!と思っていたので。

 

 

この時は結局半月ほど劇場をクローズし、

稽古もなし。

11月になってようやく

リハーサルに戻りました。

 

 

振付家も外部のアシスタントも来てなくて

監督とうちのオペラのアシスタントとの

リハーサルだったのですが

 

この時期ポーランドで公演が禁止になり

いつまでこの嫌な思い出と怪我の恐怖と戦って

レクイエムを踊り続けなければいけないのか…?

と考えたら絶望してしまって

何をどう踊っても辛くて辛くて。。。

 

自分の踊りを見失って、

何もできなくなってしまい

前まで出来ていたテクニックまで消えぐすん

この時周りにいた人は私のことを

見ていられなかったと思います。

 
 
 

くるみやドンキのリハを挟みながら

12月、1月、2月とレクイエムを続けて

足を痛めたこともあり

ずっと苦しいままでしたが

監督はこの時テクニックから

私のことを救おうとしてくれましたえーん

 

立ち方を見直して、プリエを見直して

バーを見直して、シャンジュマンを見直して。

 

レクイエムの一番大事なソロも

一つずつのパを

積み木の土台を作っていくように

付きっきりで見てくれましたえーん

 

そのおかげでテクニックが安定し、

落ち着いて踊れるようになって

2月の終わりか3月の始めに

ようやく自分の踊りを取り戻し始めましたえーんピンクハート

 

そのタイミングでまた振付家を招いて

3月20日にプレミアを予定し

最後の追い込みが始まりましたプンプン

 

 

もちろんもう振り付けは上がっているし

監督とリハーサルを続けていたので

技術面での不安は皆なくなっていて、

後はその踊りでどう叫んでいくか

クオリティのブラッシュアップをしましたキラキラ

 

この時振付家とのリハーサル期間は

短かったけれど、濃くて質のいい注意を

たくさんもらって

一瞬にして皆の踊りが

一段階レベルアップしたと思いますお願いキラキラ

 

私のソロもしっかり見てもらったのは

一度だけでしたが、その後調子が

うなぎ登りに上がって行き

毎回の踊りが自分の最高記録を塗り替えている

実感がありましたおねがいおねがいおねがい

 

 

プレミア1週間前には

もう年末年始病んでいたのはどこかに消え去り

より良くなるために頑張るという

ポジティブな気持ちだけで

毎日二度の通し稽古に励みました筋肉

 

 
そしてついに初演まであと3日という時に
初日予定日から公演が禁止になるという
発表が政府からされますゲローゲロー
 
その後のドラマは前の記事に書いています!
 

 

 

そして迎えた1年ぶりのバレエの舞台。

 

久しぶりで準備の仕方を忘れているので

当日はかなり神経質になって、

朝からご飯を炊いて

日本でいつもお母さんがしてくれたように

おにぎりを沢山作って持って行き笑い泣き

 

楽屋でやたらお腹が空いておにぎりを一口食べ、

「お腹いっぱいになって体が重くなるかな?」

と心配になりおにぎりを片付けて、水を飲み

「お腹ちゃぽちゃぽになって

気持ち悪くなったらどうしよう?」

となって水を片付け、

またお腹がすいてきておにぎりを食べて…

 

とずっと落ち着きませんでした笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

準備ができて舞台で最後の調整をして

友達とお尻を蹴りあって(ポーランドの舞台前の

グッドラックの儀式ですニヤリ)…

といつものように開演前の時間を過ごしていると

いろんな感情が自分の中で

いっぱいいっぱいになって

泣きそうになっていましたぐすん

 

必死で頑張ってきたこと、

たくさん乗り越えてきたこと、

一度はダメだと思った初演が

できるようになった有り難さ…

 

過去のこと、今のこと、今から起こす舞台

自分のこと、周りのこと…

 

色々な思いが次々と現れて胸がいっぱいになって

そんな時に緞帳が上がりました。

 

 

オケが演奏を始めた時、

「なんて今にふさわしい音楽なんやろう。」と

思いました。

 

立ち上がり、総踊りが始まってからは

もう無我夢中で踊りました。

 

 
リハーサル期間が長かったので
よく踊ってる合間に
「今この踊り終わったから〜。。。
あと○曲もあるわ。しんど。ゲロー
と考えてしまう邪念だらけの私だったのですが
 
本番中は夢中で踊り、気がついたら
自分のソロのためにハケて着替えていました。
 

皆のバベルの塔があって
塔が崩壊した後、私の赤いスカートのソロ。
 
ゲネの時から音が普段の2倍くらい速かったので
いつもより速くスムースに
次々とパをこなしつつ
音がゆっくりだった時の動きのダイナミックさは
失わないように…
それだけ頭に置いて舞台に上がったのですが
 
踊り始めたら集中して
ゆっくりの時間軸で
体をコントロールする自分と
めちゃくちゃ速い音楽についていく
普通の時間軸の自分と
舞台上にいる皆のことが大好きな自分
(このソロの役どころ)
三人の自分を同時に感じて

なんだか魔法にかかっているような感覚でしたおねがい

 

こんなの初めておねがいおねがいおねがい

 

普段はこの中の一つの自分

上手く踊れたときは二つの自分しか

感じたことがなかったのですが

三つ感じれたらこんな魔法が使えるんやと

終演後に感動しましたおねがい

 

1年間苦しんだからこそ

感じられたんやと思いますえーんえーん

 

 

 

舞台上で見守ってくれた皆も

今まで私の苦しみとスランプを見てきてるから

何人もの友達が

「アイカよー頑張ったえーん

舞台上で泣くのこらえるの大変やったわえーん

と言ってくれましたえーん

 

 

ソロが自分のバレエ史上最高の出来で終わり

早着替えを手伝ってくれるおばちゃんたちに

「ぶちかましたったデレデレ」と言って笑われ笑い泣き

 

そして最後の総踊り。

いつも瀕死状態で踊っているのですが

この日は全然苦しくなかった!
 
80人のお客さんが特大の拍手を贈ってくれて
お辞儀は最高の気分でしたキラキラ
 
 
辛くて苦しい旅だったけれど
最後に見えた景色は最高でした赤薔薇赤薔薇赤薔薇
 
 
 
いつも一番踊りを伸ばしてくれるのは監督で
終演後は毎回そのお礼を言いに行き
「これからもっと良くなります!」と
言うのですが、今回は
「これからもっと良くなります!
…でも、今日の私は満足です照れ
と言いました笑い泣き
私の一言目に「いやいや…」と言いかけた監督も
それを聞いて満足そうに笑ってくれました笑い泣き
 
 
 
猫しっぽ猫からだ猫あたま犬しっぽ犬からだ犬あたま黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫からだ黒猫あたま
 
 
一時は嫌で嫌で仕方なかったレクイエム、
いろんな意味で忘れられない舞台になり
この感動が薄れないうちに文章にしようと思って
拙いながらも一つ一つ思い出して
書いてみました爆笑
 
最後まで読んでいただきありがとうございますラブラブ
 
 
 
 
 
頑張って良かったえーん

 

 

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