ある鳥が、空を飛んでいました
その鳥は、記憶があるときから
宙をさ迷っていました
ずっとずっと、同じ宙をさ迷いつづけていました
そこが、その鳥の生きる世界だと思い込んでいたからです
でもあるときその鳥は
宙をさ迷い続けることに疲れちゃいました
宙しか見えていなかったその鳥は
ふと気づくと、下をみおろしていました
宙の下には地がありました
その鳥は、やがて、
地に足をつけることを覚えました
地に足がついた鳥は、今度は地で飛びたいと思いました
その鳥は、そのまま
地の奥深くにもぐっていってしまいました
その鳥は、地中の中を飛んでいきました
でも真っ暗です
それでもその鳥は、闇の中を飛び続けました
やがて、赤い光がみえました
その鳥は、赤い光を求めて、つっこんでいきました
近づくにつれて、その赤い光はボコボコと動きだしました
それでもその鳥は飛び続けました
からだが燃えながらも
赤いボコボコした光の中で飛び続けました
夢中で飛び続けていたその鳥は、
気づくと、地中からでていました
そこは
かつて経験したことがないような
明るく、輝いた世界でした
そこは、
鳥がかつて飛んでいた宙の反対側でした
その鳥は、やっと見つけることができました
その鳥が、実はかつてから願いつづけていた世界です
希望に満ちた色をした世界です
新たな光がさしている世界で、
その鳥は、永遠に生き続けることができるでしょう