菊と同じく、お墓参りやお葬式などの仏事に欠かせないのが”樒(しきみ)”です。
日本に古くから生息する常緑樹で、全体に香りがあり香花(こうばな)とも呼ばれます。

樹皮や、葉から抹香(粉末状の香)を作ったことから「抹香の木」と呼ばれ、地方によりシキビ、ハナノキ、ハナシバなどともいうようです。

 

 

 

シキミが仏事に使われるようになった理由

シキミには「アニサチン」という猛毒があります。特に果実は毒成分が多く、「悪しき実」とされ、それが略されてシキミになったといわれています。

昔、日本でも土葬が一般的だった頃、遺体を埋めた墓地を動物に荒らされない為に墓地にシキミを植えたりしていました。

なにより年中継続してあおく美しく、手に入れやすいことから日本では俗古来よりこの枝葉を仏前墓前に供えているようです。

 

新芽のシキミを長持ちさせるには?

他の花に比べてとても長持ちするシキミですが、唯一の難点は新芽の時期ではないでしょうか。
生産地によって多少の差はありますが、春先から初夏にかけての新芽がでているシキミを日持ちさせるにはどうしたらいいかまとめてみました。

・キレイな水
通常の花と同様、水をキレイに保つことが大切です。
できることならば、毎日新鮮な水に変えてあげましょう。

・水の量
新芽は弱々しく見えるため、水を多めにしがちです。
しかし、自然の中では、毎日雨が降るわけではありませんし、雨が降っても土壌が適切な湿度を保ってくれるのです。

水を多くしすぎると、水を吸い過ぎてしまい新芽が曲がったり茎や根が腐ってしまったりします。
手間はかかりますが、毎日少なめの新鮮な水をあげるのが一番です。

・殺菌
傷みのでる理由の多くは雑菌が原因です。
特に夏場には、茎や根に白いドロドロとしたものが付いたりします。

一般家庭の花瓶では、家庭用の漂白剤を数滴入れるだけで殺菌作用があります。

・環境
どんなに水がキレイでも、やはり新芽は弱いものです。直射日光と風を避けて下さい。

 

シキミの種類

シキミには他の花(菊やバラなど)のように品種はないようです。
同じ畑で同じように生産しても、葉の大きさや形に個性が出てくるのだそうです。

したがって、産地や生産方法によって随分と見た目が違うものです。

主な種類としては

・根付きシキミ
根っこの付いた状態で売られています。

・山シキミ
自然の山に群生しているシキミです。

・栽培シキミ
「山しきみと」は対照的に、その名の通り畑で栽培されているシキミです。