妹から荷物が届きました。
中身は分かっています。
父が昨年8月に亡くなるまで着ていた浴衣です。

4月8日
この日は父の誕生日。
私はずっとこの日を迎えるのが怖かった。
父がいないことを、否が応でも突き付けられる日だから。

何でもない普通の日として過ごしてしまいたかったけれど、妹はこれまでと変わらず、ケーキでお祝いしている写真をSNSにあげていました。
ただ、ケーキの奥に写っているのは、父ではなく父の写真でしたが。

その次の日・・・
「開けてショックを受けないように先に言っておくね。」
妹から、父の浴衣を私に送ったとの連絡が来ました。

送って欲しくなかった。
私は自分が死ぬ直前まで、父が死んだことを忘れることにしていたので。

父は辛いリハビリを、私の新居に来ることを目標に頑張っていました。

・・・そうでした。

届いてから4日間、怖くて開けられずにいた荷物ですが、そのことを思い出したとき、開ける決心がつきました。

そして・・・
父の浴衣に、父が来たときに使ってもらおうと思っていた部屋のソファーに座ってもらいました。
fXKQsSfhaG.jpg

「パパ、いらっしゃい。」