古い携帯電話をどうしてる?
 使用中の携帯電話を紛失したときに、電話番号やメールアドレスのせめてものバックアップ用に保管している人って多いのでは?僕もその1人。さらに、どうも携帯電話の使い方が荒いようで、すぐに壊してしまうので仕事机の引き出しにゴロゴロ入っている。
 昨晩のことだ。その引き出しの中からメールの着信音が聞こえたような気がした。その着信音は、FM音源を使った自作のメロディーなので間違えようがない。現在使用している携帯電話の2つ前に使っていたものだ。少々のことでは動じなくなってきた僕は、「不思議なことがまた起きた」と引き出しを開け、携帯電話を取り出した。
 取り出された携帯は沈黙したままだ。そりゃそうだ、バッテリーの充電がされていない状態なんだから。しかし、着信音が聞こえたのは確かなような気がしたので、充電をして、メールボックスを開いてみた。
 メールボックスの中身に新着メールはなかった。
 「何かが起こる」と変な期待もあったので、ちょっとがっかりしたまま、その携帯電話をあれこれいじっていた。懐かしいメールや写真データを見つけると、なんだか心が軽くなるような気分を味わっていた。そして、この写真データを見つけた。前方の黒猫は、例の飼っているネコだ。問題は、ぼやけているけど後ろの女性。
 また一歩近づいたのかもしれない。
 その女性は、一緒に住んでいたはずの“サコ”ではないだろうか?