ボーイング787には胴体長の異なる3つのモデルがあり、787-8 → 787-9 → 787-10 の順に長くなります。
初期型である-8はANAがローンチカスタマー、JALも比較的早期に導入したということもあってか、ハセガワからおなじみ1/200スケールでいち早くモデル化され、その後-9も発売されました。
しかし-10に関しては1/200も1/144も発売されておらず、1/144用の胴体延長キットが存在するのみです。
今回は記念すべき787の1000号機を作ろうと思い立ちましたが、これが運悪く(?)-10...
だったら胴体を切って伸ばしてやるしかない!
というわけで-9のキットを改造することにします。
ハセガワ787のキット自体は、多くの方がブログや動画で紹介していると思いますので、
そのあたりは割愛します。
延長する箇所は前から2番目のドア前方(SEC43)と4番目のドア前方(SEC47)です。
1/200スケールだと、SEC43で約15.2mm、SEC47で約12.2mm延長します。
それぞれ窓5つ分と、窓4つ分です。
胴体はOLFAホビーのこを使用して三分割し、厚さ0.5mmのプラバンを裏打ちして胴体を伸ばします。
ここで長さが決まってしまうので、胴体左右で長さのズレが出ないように注意します。
接着時に延長部の微調整ができるよう、あえて乾燥の遅いリモネン系の接着剤を使用し、定規で長さを確認しながら慎重に接着していきます。
部屋全体がミカンの香りに包まれました。
十分に乾燥して強度が出たところでエポパテを盛ります。
豪快に盛って成形していくことになるので、ここはエポパテが適任かと思います。
胴体左右接着前にカッターナイフで明らかに余分な部分のパテを削っておきます。
接着に際しては、ちょうど延長部の内部にバルクヘッド(B2,B3パーツ)が来るので、現物合わせで調整していきます。前側は重りを組み込むので必須だとして、後ろ側は省いても組めはしますが、やはり強度上、擦り合わせる手間を考えても入れておくべきかと思います。
胴体延長でバランスが変わらないか不安だったので、接着直前で付属の重りを入れて仮組み・重心確認しましたが、特に問題はなさそうでした。
接着が完了したらとりあえずサーフェイサーを吹きます。いわゆる捨てサフです。
あとは延長部前後の胴体と面一になるまで擦って擦って擦りまくります。
合わせ目の処理もお忘れなく...
胴体がまっすぐになるよう十分注意して伸ばしたつもりでしたが、少し機首が右側に振っていたようで、右舷側に凹みが出ました。
パテが欲しい箇所をペンでマークし、ここはポリパテを使って修正します。
ガリガリ削るので、時に500番サフも使いながら整形していきます。
ある程度まとまってきたところで同時進行中の777-200, 747SRと並べてみました。
787-10の長さがひと際目立ちます。
今回は飛行姿勢を再現するため、主翼は上方にしならせました。
合わせ目処理等は胴体と並行して進めておき、お互いに大方の整形が済んだところで
士の字にして胴体下面の合わせ目処理をします。
胴体と翼は並行作業で塗装して取り付けた方が時短にはなるのですが、ハセガワ787の胴体・主翼のはめあいは結構きつく、過去に塗膜を傷つけた経験もあったので、今回は塗装前に取付けておきました。
そうしてようやく塗装に入っていきます。
白はガイアノーツのアルティメットホワイトを使用しました。
なお、今回エンジンの方は素組みしているので割愛してますが、こちらも同じ色で塗っておきます。
白一色で全体を塗装したら白で残る部分をマスキングします。
流れで一気に塗ってしまうので、主翼前縁のシルバー塗装も見越してマスキングしてます。
さて、前述のシルバーは最後に塗るとして、紺、橙、金の3色をどの順番に塗るかがポイントになってきますが、橙のラインを一定の太さにしたかったので、まず橙から塗って0.5mm幅のマスキングテープでマスクすることにします。
橙はクレオスの58番を使用。半光沢ですが、どのみち最後にクリアー+研ぎ出しするのでここでは気にしません。
橙のラインの上側の紺色部分に客室窓が位置するので、窓デカールをトレーシングペーパーでトレース、サイズ確認しながら、橙として残る部分をマスキング。
紺はクレオス322番をベースに調色しましたが、やや濃かったようです...
さて、いよいよ尾翼の塗装に入ります。
インクジェットプリンターでは金色表現はできないので、必然的に塗装になります。
写真を見ながらマスキングしていきます。カッティングマシンが欲しい...
金色塗装後、尾翼の出来具合が確認したくて尾翼だけマスキングを剥がしました。
なかなかイイ感じ。
シルバーを塗る前に、垂直尾翼前縁で一部グレーの箇所と、フラップヒンジ後端の赤を塗装。
最後にシルバーを塗って....
マスキング剥がし!
所々滲みだしがありますが、それをも忘れさせる達成感と満足感です...
さて、ハセガワ787はANA版とJAL版(あとは限定版でデモンストレーター)しかないため、シンガポール航空を再現するにはデカールを自作する必要があります。(一応社外デカールもあるにはありますが)
大きさ調整を画面上でできるよう、説明書の塗装図をスキャン、縮尺を変更して、その上にロゴを配置して調整していきます。
1000thロゴは資料がすくないため、フォントはでたらめです...
Photoshop CCを使ってるのは単にいつも写真編集でお世話になっているからで、他のソフトでも問題ないと思います。
また、窓が増えている分、当然付属デカールだけでは窓が足りないわけですが、ここはだいぶ前に作ったANA 787の余剰デカールを使いました。
デカールを貼り終えたら、ひたすらクリア塗装。
あとは研ぎ出し、部品を取り付けて...
完成!
スラっとした長い胴体が良い感じb
胴体延長、自作デカール、ロゴ塗装など、時間はかかってしまいましたが、
完成した時の達成感もひとしおです。
ぜひハセガワからモデル化してほしいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。