地球温暖化がもたらす農作物への影響として将来起こりうる例としては、気温上昇により、お米、野菜や果樹など農作物の収穫量の変化や栽培適地が北上していくことが予想されています。新潟県では美味しいコシヒカリができていましたが、このまま行けば、気温が上がること野菜やお米などが正常に作れる温度帯よりも気温が暑くなってしまい、農作物が作りづらいものになってしまうかもしれません。

また、お米の場合品質も影響を受けた際に「白未熟粒(コメが白濁する)」や「胴割れ米(コメ粒に亀裂が入る)」が多く発生します。すると、コメの等級が落ちてしまうなど、コメの品質を大きく左右することになります。

白未熟粒を避けるために遅植えや直播栽培で登熟期間を遅らせたり、高温でも白未熟粒が少ない品種を栽培するなど対策あります。
しかし、このまま温暖化が進めば、その対策の効果が薄れていくことも予想ができてしまいます。

地球温暖化を加速させる化学肥料、農薬

地球温暖化は大気中に大量に排出された二酸化炭素やメタンガス、フロンガスなどにより太陽からの熱の吸収が増えた結果、気温が上昇することです。実はその最大の原因が化学肥料に含まれる亜酸化窒素ガスです。

化学肥料を畑に10㎏まいたとしても農作物が吸収するのはわずか1~1.5㎏。あとは雑草や土が2~3㎏吸収し、残りの5.5~7㎏は、気化して亜酸化窒素になり大気中に拡散します。これが温暖化の一つの原因に挙げられます。つまり温暖化の原因に現代農業が深く関わっています。

2009年、アメリカ海洋大気局(NOAA)の研究者のまとめによると、農薬・化学肥料・家畜の排泄物に含まれる窒素肥料をまいた農地などから発生する亜酸化窒素ガスが、地球のオゾン層を破壊する要因であるというのです。
因みに亜酸化窒素ガスは地球温暖化の原因の一つといわれる二酸化炭素の約310倍の温室効果があります。

それ以外にも、化学肥料や農薬、除草剤を田畑にまくと汚染物質が地下水に混じります。
汚染された地下水は川に流れ込み、やがて海に出て行くことになります。
海でプランクトンが汚染物質を食べた結果、大量発生につながり、その呼吸熱で海水温の上昇、赤潮など様々な問題が発生します