小学校5年か6年生の頃、放課後に近所の公園にいた時、
ふと草むらに寝転んで、空を眺めてみたくなったことがあった。
流れる雲を飽きもせず、ずーっと眺めているうちに、
それまで体験したことのない、なんとも言えない気持ちになった。
「帰りたい」
というのが一番近いかもしれない。
でも、自宅にではない。まだ夕暮れ時でもない。
どこに帰りたいのかはわからないけど、
なんとなく切ないような、懐かしいような、不思議な気持ち。
最近になって、思うようになった。
あれは天への郷愁だったんだなと。
私たちは、この地上では旅人であり、寄留者。
私たちの故郷は天国だから。