サブテーマ:いやされた話③のつづき


結婚して2年目、クリスチャンになって1年経ち、洗礼を受けて間もなく、

子供を授かった。


母子ともに順調に経過していたんだけど、

妊娠30週あたりから逆子が戻らなくなり、

逆子に効くという鍼を打ったり、逆子体操もしてみたけど、

全く効果がなかった。

このまま逆子が戻らなければ、帝王切開手術での出産、

手術日までに向きが戻れば普通分娩で出産するということになった。


教会の祈祷会で牧師・兄弟・姉妹皆が祈ってくださった。

自分でも毎日祈った。

手術のため入院する予定日が近づいても

逆子は戻ることはなかった。


神様の御心にかなった祈りはきかれる。

きかれないということは、

このまま帝王切開で産むことが神様の御心なのでは、

と牧師が言われた。

できることなら普通分娩がよかった...

でも今はわからないけど、これが最善なんだと思い、主に感謝した。


手術の前の日の午後に入院して、

色々説明を受け部屋に案内される。

ベッドが1台と二人掛けソファがある小さな個室。

部屋番号は7、目の前にナースステーションの隣の新生児室。

生まれて初めての入院。

仕事でなく、自分が患者の立場で病院にいる。


夜の産科病棟って騒がしい。

どこかで赤ちゃんが泣いていたり、

夜中に陣痛がきて入院してくる人もいる。

分娩室から叫び声が聞こえたりする。

絶えずザワついている。

一応個室だったけど、壁が薄くて隣近所の物音もわかる。

普段と全く違う環境...ここに5泊6日もするのか...


熟睡できたのかどうかよくわからない...

朝もすごく早く目覚めた。

生まれて初めての入院に手術...

やっぱ怖い。神様に真剣に祈った。


ふと眼を開けると、窓から日の光が差して、

聖書の上でしおりの金文字がキラキラして目を引いた。


「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」

詩篇37篇5節


神様が「大丈夫だよ」と言ってくれている気がした。

そうだ、神様がともにいてくださるんだ。


手術の時間が近づいた。

普通分娩と違って、スケジュール通りに進むのが手術の利点。

時間に合わせて実家から両親が来た。

教会の牧師もわざわざ来てくださった。

なんと心強い。おまけに父に神様の話もしてくれている。

神様感謝します。


いよいよ手術が始まった。

腰椎麻酔なので意識ははっきりしていた。

麻酔が効き始めたところで異変が起きた。

目の前が真っ暗になり、吐き気がしてきた。

たぶん血圧が下がった。心電図モニターから警報が鳴りだした。

意識が飛びそうになった。

ドクターが「足高くして!」と緊迫した声で言っている。

苦しくて心の中で「神様助けて!」と叫んだ。

少し経って、吐き気がおさまって目の前が明るくなってきた。

ナースが「血圧90に上がりました。」とホッとしたように言った。

そこからは順調に進んだ。


帝王切開手術が最善だったということがわかった。

出てきた赤子の首にへその緒が2重に巻き付いていた。

普通分娩だったら難産になっていたかもしれない。

下手したら命に関わっていたかも...

神様が守ってくださったのだ。


あっという間に取り出された我が子は私の胸の上に置かれた。

約3000gの小さな赤子と初対面。

恐る恐る触ってみる。胎脂でベトベトだ。

急に外の世界に連れ出されて戸惑っているのか

手足を伸ばしてもがいていたけど、

私の鼓動を聴いて安心したように静かになった。

私もホッとして眠くなった。

それと平行して私の閉腹手術が行われている。

ナースが「ご両親に会わせてきますね」と赤子を連れて行った。

あっという間のカンガルーケアだったな。


閉腹手術の時、意外なことがわかった。

子宮筋腫があった。外側にコブ状の直径3cm大。

ん?

いやされたんじゃなかったのか...

そのまま筋腫の切除が行われた。

子宮の内側の筋腫は間違いなく無くなっている。

ドクターに言われた。

「これ保険適応になるから、申請すると良いよ」

帝王切開手術のもう一つの利点、保険がきくということ。

つまり、この場合2つの手術の申請ができるのだ。

後日保険金が2つの手術分おりた。

神様の最善ってすごいな...


そして、神様がもうひとつ、大事なことを気付かせてくださった。

それはまた次の記事で。


この記事を下書きのままでずーーっと放置していたことを悔い改めます。

全ての栄光を主にお返しいたします。