ニコがお世話になっている 小児科医のシアーズ博士は、ダウン症のある息子ステファンがいることもあり、 彼のもとには 多くのダウン症のある子ども達が通っています。(たまたまサンクレメンテ市にシアーズ先生のクリニックがある!) 

 

日本でも「シアーズ博士夫婦のベビーブック」が有名なようです。

 

シアーズ博士にみてもらう前にお世話になっていたドクターも人柄は素晴らしいかたではあったのですが、 ダウン症に関して深い見識がある感じではなかったので なんとなく物足りなさ感じていました。 例えば、成長についても、成長曲線にマークをつけて「1%以下」と書かれた紙を渡されるだけで、説明をくださらないと、「大丈夫なのかな」と心配になったりもしました。 

 

シアーズ博士は 「順調ですよ。お母さんよくやってます」と声をかけてくださったりして、とても安心できます。 

 

シアーズ博士はASK Dr SEARSというHPを運営していて、子どもを育てる両親たちのいろんな質問に答えています。

 

   

 

きょうはシアーズ博士が ダウン症のあるお子さんの事について答えているものを紹介しますね。 私が意訳していますので(直訳ではありません) 本文を確認したい場合はリンクをごらんください。 

 

Qダウン症のある赤ちゃんはどのくらい頭がいいの 

 

ダウン症のある赤ちゃんの、知的機能は平均よりは下回りますし、なかにはその機能がより低い子もいます。 

 

ただ、早期療育や特別教育をすることで、多くの子は通常のクラスに入ることができます。 言葉の遅れが一番目立つことになるでしょう。 ダウン症のある子ども達は、ゆっくり育つので、 素晴らしい発達をスローモーションでみるような感じですよ。

 

ひとつのことが出来るようになるたびに、 とても嬉しく感じられるので、 両親にとっては期待と喜びと興奮が よりいっそう感じられることでしょう。 学問的なことで欠けているものがあっても、 彼らは社会性でそれをカバーします。 

 

ダウン症のある赤ちゃんも、 すべての子どもたちと同じように、 機嫌のいいときも悪いときもあります。 しかし、一般的には、 ダウン症のある赤ちゃんは、 愛情があり優しくいつもハッピーです。 そして多くの子が、いつもハグとキスをして、 安らかな雰囲気を漂わせています。 彼らの親切で思いやりのある姿勢は周りの人にとても影響力があり、 「いったい何が本当の意味で普通なのだろうか」 と考えさせられます。

 

 

Q.ダウン症のある子どもを育てるためのポイントは? 

 

 私たちの息子のステファンは (記事を書いたとき当時は)23歳で ダウン症があります。 

 

ふり返ってみると、 正しいことをしてあげられたこともありますし、 もう少し出来たなと思うこともあります。 

 

何よりも感じたことは、 ダウン症のある子ども達は「障害」があると言うより、「違いがある」と表現したほうが相応しいと思います。

 

 The National Down Syndrome Congressの現在の標語は “We are more alike than different.” (私達は違うことよりも、同じであることのほうが多い)であります。

 

確かにそうなのです。 

 

ここでステファンを育てるにあたって大変有効だったことをお伝えします。

 

出来る限り長く母乳をあげましょう。 吸う力が弱いので、コンサルタントの助け等が必要になるかもしれませんが、脳の成長発達のためには母乳の力が助けになります。 

 

療育を受けさせる。 

 

本物の食べ物をあたえること。 脳の60%は脂肪でできていて、 ダウン症のある子は脳の発達のために出来ることは なんでもしてあげる必要があります。医院では、6カ月のときに脂肪のおおいアボカドから始めて、7カ月にはサーモンをあげることをアドバイスしています。そしてできあいのものではなくて、 本物のピュアな食べ物を与えることが、非常に大切です。 

 

無駄な脂肪がなく、健康な状態を保つこと。 ダウン症のある子どもや大人にとって、一番多く問題となるのが肥満です。 肥満は他の問題を引き起こすことがあります。 多くの子どもが食欲をコントロールできないでいます。 ただ痩せているのがいいというのではなく、 正しい量の脂肪がついているのが望ましいです。 

 

アクティブにさせておきましょう。 ステファンに早くからスポーツを堪能しています。 (T-ball、バスケット、フラッグフットボール、 水泳、空手、野球、ゴルフなどなど)なかでも水泳は、 発達が普通とは違っている子どもたちにとっては、 もっとも良いエクササイズです。 

 

学校のシステムや行事 すべてに参加させるつもりでいましょう。 子どもへの教育は積極的におこなって、 療育プログラムを可能なかぎり最大限に活かしましょう。 ステファンは5歳から10歳まで 通常の教室で教育を受けました。 最初はしぶしぶ受け入れてくれた先生たちも、 年度末には、「ステファンはお荷物ではなくて、 クラスにとって財産だった」と言ってくれました。 ステファンが2年生のとき、先生がクラスメイト全員に 「ステファンはクラスにとってgoodだったか、badだったか」と尋ねたところ、 30人中29人から「ぜったいに良かった」という答えが返ってきたことをおぼえています。 私達の味方となり助けてくれる先生を見つけることは、 とても重要なことです。

 

子どものスペシャルなところを見つけてあげましょう。 すべての子どもは、キラキラと輝くことが出来る 何かの才能をもっています。 何があなたの子どもを輝かせるか見つけましょう。 ステファンにとってはスポーツであり、野球でありました。 他の子にとっては、音楽かもしれませんし、 何か他のことかもしれません。 ダウン症のある子ども達が、 どれほど素晴らしい隠れた才能をもっているか知れば、 あなたは驚くことになると思いますよ。 秀でた才能を発揮するようになると、 その子は自信を持つようになるし 自分達が「More alike than different」だと思えるようになってきます。

 

スペシャルオリンピックは、 スペシャルニーズがある子どもにとっては、 ぜったいにマストです。 ステファンが5歳のころ、 彼が一般のこ達のT-ball(棒のうえに置いた球を打つ野球)チームに参加してプレーをしていたのですが、 試合相手のばかげたコーチが 「あの子は、普通の子どものチームに混じって、いったい何をやっているんだ」という態度をとりました。 ステファンの番がまわってきたとき、 私達は棒からボールを外して、 ステファンにむかってボールを投げました。 そして彼はホームランを打ったのです。 当時、チームのなかで、棒を使わずに投げたボールを打てるのはステファンのみだったのですよ。 相手のコーチはその日、貴重な勉強をしたことと思います。 

 

ステファンがいたことで、確かに苦労もありましが、 子育てについてまったく新しい世界を学びました。 忍耐、ねばり強さ、そして子どもにとって 本当の意味での弁護人(アオドボケイト)になることを学びました。 彼は私達のユーモアのセンスも向上させてくれました。 それから彼がユニークで個性的なところ、 とくに思いやりがあり優しいところについて、 心から感謝するようになりました。 この子たちは、ペットや赤ちゃんを愛し、 他の人を助けることが大好きなのです。 私達は、ステファンの彼女が、 ステファンの蝶ネクタイをなおしてあげ、 スペシャルオリンピックのダンスフロアへと 一緒に出て行く姿をみるのがとても好きです。 (注釈:ステファンはスペシャルオリンピックでいくつものメダルを獲得しています)

 

もっと読んでみたい方はシアーズ先生のHPチェックなさってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

  さきほど行った散歩のときにみたサンセット。 

 

 

 

シアーズ博士がおっしゃるように、ニコは愛情がたっぷりとあって、優しいです。 私が愛してるのと同じくらいの愛情がニコからも返ってきます。 (赤ちゃんがこんなにも愛情表現をすると思っていなかったので、感激です) 

 

いつもほっぺにキスをしてくれて、 よだれでベタベタにしてくれます。 目があうだけでニコニコ笑ってくれます。 彼には喜びが満ちあふれています。 こんな子のお母さんになれて、 なんて幸せなのでしょうか。 感謝、感謝です。

 

 

ブログのリニューアルに伴い、過去に別のブログに書いていた息子のニコに関するブログを、再編集と追記をして再掲載しています。

 

興味を持ってくださった方は、テーマ「ダウン症候群のある子の暮らしや情報」でソートして読んでみてください。

 

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