東京男女平等参画推進計画に性の多様性を!

 

 

私の大きな政策の柱として性的マイノリティの皆さんが生きやすい社会にするがあります。これまで取り組んできたことが、一つ動き始めたので、共有させていただきます。

 

東京都男女平等参画推進計画の素案に、性自認や性的指向の多様性に関すること組み込まれました!

 

 

東京都男女平等参画推進総合計画素案が令和4年2月3日に発表されました。これは令和4年度〜8年度の4カ年計画です。

 

これまでの、平成29年からの前の計画は「性的少数者」は、飾り程度に触れられているだけで、性的少数者がまるで存在しないかのような扱いでした。

 

それが今回発表された次期計画では、本編の色々な項目ではじめて性自認および性的指向の多様性や取り組みが書き込まれました

 

 

 

計画素案に性の多様性がどう組み込まれたか🌈

 

 

  目指すべき男女平等参画社会「多様性を尊重」

 

なんといっても大きな意義があるのは、計画案の冒頭の「目指すべき男女平等参画社会のあり方」で、性的少数者に関することが盛り込まれました

 

性的少数者は、日常生活において性差に関する偏見や差別を受けるなど人権に関わる問題があります。社会全体が多様性を尊重する環境作りを進めることが必要です。

 

盛り込まれたのは素晴らしいものの、「性差に関する」という表現は不要なのではないかと思っているところです。性差による偏見や差別だけではないと思うからです。

 

 

 

  ハラスメントの項目に「SOGIハラ」を明記‼️

 

 

厚生労働省「職場におけるハラスメント関係指針」では、性自認や性的指向に関するハラスメントやアウティングといったSOGIハラスメントも含め、企業にパワー・ハラスメントの防止対策を求めています。

 

 

  「学校にける男女平等」→多様な性の児童生徒への対応を明記

 

 

性自認及び性的指向に関して困難を抱える児童・生徒・学生が在籍していることをも想定し、性の多様性に関する理解を深めるなど、きめ細やかな取り組みが必要です。

 

これも表記されたことは良いことと思うのですが、「困難を抱える」という表現を見直したほうが良い気がしています。社会の中の壁や偏見や差別が困難を生んでいるのであって、性自認や性的指向そのものは困難ではないからです。そして性的マイノリティの児童生徒が、困難を感じていようが感じていなかろうが、性の多様性に関する理解を深め、学校内での配慮が隅々まで行き渡る必要があると思うからです。(あくまで私の意見ですが)

 

 

  「パートナーシップ制度」の必要性が明記され制度導入を明記

 

性的少数者の項目においては、パートナーシップ制度の導入の必要性が明記されました。

 

 

  パブリックコメント(意見公募)が募集されています

 

現在、この素案に関する意見公募を東京都が受付けております。ここで寄せられた意見をもとに、最後の修正が加えられて、推進計画が確定されます。性自認や性的指向・性の多様性のことだけではなく、ご一読の上、感じたことやご意見を寄せていただけたらと存じます。

 

募集期間:令和4年2月3日(木)から3月4日(金)まで

応募方法:

①専用フォーム:https://www.shinsei.elg-front.jp/tokyo2/uketsuke/form.do?id=1642028464425

②郵便:ご意見、該当箇所(ご意見の内容に該当する箇所、ページ番号など)、住所又は所在地(区市町村まで)、氏名又は法人名・団体名を記入
<送付先>〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京都生活文化局都民生活部男女平等参画課 計画意見募集担当

 

 

  🌈男女平等参画審議会での発言が反映されたものでした

 

じつは去年秋から、男女平等参画推進総合計画の令和4-8年度の計画策定チーム(男女平等参画審議会)の委員に入れていただきまして、今回の変更点について発言させていただいておりました。

 

 

  <令和3年9月24日の審議会での発言>

 

議事録はオンラインで公開されていますが、私の発言を抜粋掲載させていただきます。この日が初めての参加でしたので、緊張しましたが、私の考えと想いを思い切って発言しました。

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○龍円委員発言

よろしくお願いいたします。龍円と申します。 この計画の取りまとめにご尽力をくださっている皆様に、まずは心から感謝を申し上げます。 生活文化局を所管する文教委員会で今は4年目になっておりますけれども、この間、ずっと、この男女平等参画には多様な性も含む必要があるというふうに訴えてまいりま した。そのこともありまして、今回、この男女平等参画推進総合計画の審議会に希望して参加させていただいております。

この男女平等参画の前提として、性の多様性について触れないのは私は間違っていると考えています。これまで都議会のほうの文教委員会でも、この件について何度も話してきたんですが、 性的マイノリティの方々は人権課題であって、総務部が所管するものであって、生活文 化局の男女平等参画の枠組みではないというふうに説明を受けてまいりました。しかし、ほかの自治体を見てみますと、ほとんどが男女平等の枠組みの中で性的マイノリティ、性の多様性に関する施策を展開しています。それはこれが性にまつわることだからなんですね。

性的マイノリティの方々は人口の10%とされておりまして、その方々を含まない形での男女平等というのでは、計画そのものがこの計画の中で平等に扱わなくてもいい人たちがいる、ということになってしまいます。女性活躍推進について考えたときに、活躍してほしい女性の中に、レズビアンですと か、トランスジェンダーの女性ですとか、戸籍上は女性のXジェンダーを含まないということでは、この計画そのものがもう差別的であるというふうに考えています。

東京都は人権尊重条例で、あらゆる性自認及び性的指向による差別を禁止しておりま す。この計画そのものが差別的にならないように、男女多様な性の平等参画とするべき だと考えています。具体的な性的マイノリティの方々の困り事の解決について取り組むのが、たとえ総務局であったとしても、この計画の中に性的マイノリティ及び性の多様性という視点を入れていかないといけないと考えます。

この基本計画案を読んでみたんですけれども、(最後の章以外)多様な性について一切触れられていないのは非常に不可解でした。まるで存在していないように計画の議論が進むことそのものが差別的であり、許し難いと感じます。男女及び多様な性の人々が平等に扱われるという計画になってほしいと思っております。計画の基本的な考え方の5ページ目の目指すべき男女平等参画社会の在り方」の中に、 性的マイノリティ、または、多様な性の方々の平等に参画できる社会にするという視点を盛り込んでほしいと思います。

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○龍円委員発言

先ほどの視点からこの計画を見たときに、幾つかお話ししたいなと思うことがありました。 まず、50ページでの「学校での男女平等」ということなんですけれども、性別役割分担意識やアンコンシャスバイアスなどの固定概念の払拭等には、早期からの教育が効果的 であり、教育現場での啓発が必要というふうに計画自体に書いてありますとおりに、早期からの教育というのが非常に重要ですので、学校での男女平等だけではなくて、多様な性についても取り組んでいくことが重要だというふうに考えます。なので、この取組 の中に男女平等及び多様な性の教育を推進するというような見解を持ってほしいなと思っております。

それから、ちょっと前後してしまいますが、職場や就職活動におけるハラスメントの防止、23ページですね。こちらで課題の中に性別、性的指向、性自認を問わず被害者となるおそれがある一方 で、誰でも加害者となる可能性があるというふうに掲げてくださっているのは評価しま す。ただ、性的指向の指向という漢字が間違っていますね、これは指さすのほうですね。それから、この中で、セクハラとか、パワハラとか、マタニティハラスメントなど、 いろいろなハラスメントが具体的に触れられていますので、この中にSOGIハラスメント、つまり、性的指向及び性自認によるハラスメントの一文も入れていただけたらと 思います。このSOGIハラスメントは、ハラスメントの一つであるということは、国の人事院 のほうでも認められていることですので、その視点を入れていただけたらと思います。

それから、三つ目なんですけれど、一番最後のほうに、77ページからの多様な人々 の項目の中に、性的少数者が入っているんですけれども、これ自体がちょっとおかしい 話でして、障害とか高齢者とか若年層というのは、性とは関係ない多様な人々ということなんですけれども、性的少数者はあくまで男女及び多様な性と並列的に考えられるべき事項ですので、多様の人々の中に入れて考えるものではなくて、男女平等及び多様性 という並列的な考え方で、計画の中で取り扱っていただけたらありがたいです。以上でございます。ありがとうございました。

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委員の皆様と面識もなかったので、いきなり自分の意見を申し上げることについて正直ドキドキしました。しかしこれだけはどうしても伝えたかったのでお話しさせていただきましたところ、他の委員会ら嬉しい受け止めの発言をいただき、心から嬉しく想いました。

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○是枝委員

是枝です。先ほど、龍円様から女性活躍推進計画の中で、多様な性に対する考慮が十分にされて ないというご指摘をいただきました。私も、男女平等参画部会のほうで、議論をさせて いただいた際に、特に、IIIの中に、「多様」の中に年齢、性別、性的指向によらないパ ートナー形成支援という項目を一つ、大きな柱として立てるべきではないかということ で、ジェンダーや性的指向にかかわらず、自ら望む形でパートナーを手に入れることを 広く支援するような形で、大項目で立てられないかという議論もさせていただく。部会 では、やはりこれは、男女の計画であることから、性的少数者などについて広く考える のはまた別の計画であるという議論があり、中間のまとめ(案)では落とさせていたの ですが、龍円先生から大変重要なご指摘もいただきましたので、再度テーブルに載せて いただくことはできないかと提起させていただきたいと思います。

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  <令和3年12月20日の総会での発言>

 

前回の審議会の発言やパブコメを受けて、審議会としての「答申案」がまとめられました。それを見てさらに発言させていただいたのが、こちらです。

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○龍円委員

こんにちは。本日はありがとうございます。前回の総会で初めての参加をさせていただきまして、その際に男女平等参画の中でも、 この性的マイノリティの方々についても位置づけをという話をさせていただきまして、 その際に田中会長のほうから、踏まえて議論していくというお話があり、今回拝見したところ、計画の中にも性的マイノリティの方々についてきちんと触れてありまして、大変感謝しております。ありがとうございます。

このパブコメも拝見すると、性的マイノリティ当事者の方も含めて、多数の意見が寄せられていまして、やはり都民の方々の中でもこういった意識というのが高まっているんだなというのを改めて感じることができました。これらを部会で細やかにまとめてくださいまして、本当にありがとうございます。

パートナーシップ制度について、今回の計画の中に触れていることは、大変な大きなことなのかなと思います。つい先日、15日に閉会したばかりの都議会でのことなので すけれども、もう年度内に、このパートナーシップ制度の方針を東京都が発表いたしまして、そして令和4年度中に導入するということが、小池都知事からも明言されました ので、計画では「検討する」と記されていますが、「導入する」というふうに言ってし まっていいのではないかなというふうに思っております。

また、せっかくパートナーシップ制度にここまで触れてくれているのであれば、これ も東京都の方針として取り組んでいくことが示されていますが、併せて困り事というの がいろいろあるんですよね。そういった性的マイノリティの方々の困り事の解消に努め ていくということが、都の方針としても示されていますので、パートナーシップ制度の導入だけにとどまらず、せっかくここまで書いてくれたのであれば、導入の上、性的マイノリティの方々の困り事に、都として解消に努めていくというようなことまで踏み込んで書けるといいのかなと思いました。

この今回の修正案のほうを拝見したのですが、ちょっと表現に揺れがありまして、「性的少数者」と書いてある場合と、「性的マイノリティ」と書いてある場合があります。意味は同じなんですけれども、どちらかにそろえたほうがいいのではないかなというふうに思いました。

あと、(男女平等と性的マイノリティについては別に考えるべきと発言なさった他の委員の発言を受けて)男女の平等参画と性的マイノリティが別なのではないかなという考え方もあるのは分かるのですが、女性というのは、男女でいうと、どちらかというと女性がマイノ リティになると思うのですが、この女性のことを考えたときに、性自認が男性なんだけ れどもカミングアウトせずに社会的には女性として生きている方もいれば、もともとの 戸籍上与えられた性は男性なんだけれども、今女性として生きているという方もいます し、また、自分の性自認は女性で、好きになる対象が女性だという方もいらっしゃいま すので、男女と性的マイノリティは別のものではなくて、男女のことを考える中で、そ の中に包括される形で、女性の中にも性的マイノリティの方が、男性の中にも性的マイ ノリティの方々がいらっしゃるということで、この男女平等参画の計画の中で触れていただけるというのは、大変大きな意義があると思います。ありがとうございます。以上でございます。

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じつはかなり緊張していたのでうまく伝えられたか不安でしたが、今回の推進計画素案にまずは性の多様性・性的少数者の取り組みが盛り込まれていることを高く評価しております。皆様から意見を寄せていただいて、さらにより良いものになることを願ってブログに投稿しました。

 

 

  性的マイノリティの皆さんが生きやすい社会のための取り組み

 

最後に東京都でこれまでに取り組んできたことについて、振り返っておきます。まずは「東京都人権尊重条例」を制定して、性自認および性的指向による差別の禁止が定められました。

 

 

「東京都人権尊重条例について」

この条例制定を受けて性自認や性的指向に関して相談したいと思う若者向けのLINE相談窓口も実現しました。

LINE公式アカウント名 「LGBT相談@東京」

受付時間  月曜日・水曜日・木曜日 17時~22時(祝日・年末年始除く。)※受付は21時30分まで、QRコードでアカウント追加できます。

令和4年度に東京都のパートナーシップ制度創設もも実現に向かっているところです。東京都のパートナーシップの創設を求める会の皆様、都議会の仲間の議員の皆様と進めて参りました。

 

 

 

 

  これから取り組みたいこと:東京版ユースクリニックは性的マイノリティの子どもや若者も頼れる場所にする

 

先日のブログで書かせてもらった「東京版ユースクリニック の創設」を東京都に求めた件ですが、なんと予算がついて実現することになりました。

福祉保健局と東京都教育委員会が連携して、ユースクリニック を立ち上げることになりました。(名前はユースヘルスケアとなっていますが)

ユースクリニックが発祥したスウェーデンでは、性自認や性的指向に関して揺らいでいたり、不安や悩みがある子どもたちも安心して利用できるようになっています。

放っておくと、性的にマイノリティのお子さんたちにとっては居心地の悪い場所になりかねないと懸念しておりますので、すべての子ども若者が安心して利用できる場所となるように、取り組んでいきます!