Mellow

シラーのワインを口に含む。

舌で転がすようにゆっくり味わう。


全身にアルコールが染み渡っていくのがわかる。


目を開けると、

目の前にいる貴方に、私はもっとしびれていく。



ワインで酔い潰れるより

今夜は、貴方との時間に酔いたい。





金色の小さなカフスボタンに指をかけて

弄びはじめると

貴方はその鋭く熱っぽい視線で私を射す。



呼吸が少し深くなってきたところで

私の唇に指先を滑らせるようになぞってから

顔を引き寄せ、口づける。



濃厚に。



フォアグラよりあたたかく柔らかい舌を

貪るように味わう。





暖炉のゆらめく炎は

二人の肉体の欲望を更に掻き立てる。



暖まった部屋の中で

熱くなった体から立ち昇る、

二種類の香水が混ざり合った新たな香りは

見事に調和していて、

体を合わせた時の相性を想像させる。





シャツの胸元をはだけた状態の貴方は

下着を外し、シルクスリップ1枚になった姿の私を

まだ眺めている。


貴方の手の中にあるグラスにワインを注ぐ。


その音すら

この甘美な夜を艶やかに彩る。




ワインを注ぐ私の指を見詰め、

ボトルを置くと、

膝の上に座るよう促される。


私の腕をしっとりとなぞり、

私の手の指先までくると

貴方の指が絡められた。



私もたまらず、

太腿あたりをなぞっている

もう片方の貴方の手を取って

スリップの中に招き入れる。

Prince ~ Mellow