International Lover

シートベルトで固定するように

両手で腰をしっかり押さえられ

貴方の鳶色の

涙が零れるかのように潤んだ瞳で

見つめられただけで

私の奥底に存在する欲望の泉に 

たいまつは投げ放たれる。

みるみるうちに燃え上がり

あたためられ、体中を駆け巡る

愛欲のオイル。

貴方の指が

私の体のいたるところを

滑らかに優しくなぞっていく。

時に

私も知らなかった性感部分に気付かされ

驚嘆と歓喜で

呼吸もとぎれとぎれになる。

声をあげようにも

柔らかくあたたかい貴方の唇で

私の唇はふさがれてしまう。

かと思えば

貴方は深いしっとりとした声で

私の名前を甘やかに耳元で囁く。

どこかに飛んでいってしまいそうに

気が遠くなりかける。

「僕をしっかり感じて」

貴方の腕や背中に

ただただ夢中でしがみつき

ただ、気を………

気が………

気………が………

目を開けた瞬間

貴方は私の髪をすきながら

私をいとおしげに見つめて

無邪気に微笑んでいた。

ダイヤモンドもパールも

貴方という存在に比べれば

たいした価値なんて持たないわ。