紙焼きって、印画紙プリント以外になにがあるでしょうか? というお話です。

 

状況によって変わるんですけれども、紙焼きの総称は「印画紙を使った複製」です。

 

写真なら印画紙プリント。

デザイン関係なら、紙焼き機、トレスコを使った「白黒原稿の複製(拡大縮小を含む)」です。

 

昔から「焼く」という言葉が使われる写真業界。

 

ネガフィルムからプリントをする「焼き増し」とか。

 

Photoshopで言うところの

 

「覆い焼き」とか。

「焼き込み」とか。

 

焼いてもいないのに「焼く」が使われます。

 

まあ「日焼け」なんて言葉がある日本ですから、光に当てる行為は「焼く」に準ずるという意味が含まれると考えていいのかな、と思いますけれど。

 

とにかく「紙焼き」とは「光源と印画紙を使って行う複製作成」と思っていただいていいと思います。

 

言うて、デザイン業界的には平成に消滅したくらいの技術なんですけれどもね。

 

なので「紙焼き」で検索されている方は、平成以前の遺物について調べる羽目になってしまった、という感じになります。

 

デザイン業界では、写植とか、ロットリングとか、烏口とか、忘れられた技術のなかに「紙焼き」がありました。

 

白黒の原稿を拡大・縮小して印刷原稿 = 版下のために複製加工する作業でした。

ロゴとか線画とか、いちいち何度も書いてたら日が暮れて夜が明けてしまうじゃないですか。

印刷業界にとって紙焼きは、なくてはならないもの。

いまでいうならスマホみたいなものだったんですよ。

 

広告業界において「紙焼き」には、少なくとも2つの意味があって。

 

ひとつは宣材写真の手配。

 

タレント事務所から届いたフィルムをもとに、プロラボに持ち込んでプリントしてもらい、プレスリリースに使っていました。

 

ネガなりポジなりが届いて、それをプリントする。

守秘義務があるからプロラボと呼ばれるところに発注かけて、100枚とか200枚焼いてもらっていました。

 

もうひとつは、ロゴの複製配布。

 

その昔、ロゴは白黒の原稿だったんです。

で、それをプレスリリースや、関係提携会社向けに配布するために、ロゴのもとをいただいて、それを機械を使って印画紙に複製していく。(これはサイズ変更が可能だったんです。そういう機材を使ったので)

 

それについても「紙焼き」と呼ばれていました。

 

ロゴの配布については、もっと事業規模が大きくなると、清刷りという印刷物になりました。たとえば旅行代理店とかスーパーマーケット、家電量販店、その他チェーン店など、ロゴをデザイナーや版下屋さんに向けて安価に行き渡らせる白黒の印刷物にしたんですね。

 

それを「使いたい大きさにする」ためにも、やはり「紙焼き」が行われました。

 

そんなわけで「紙焼き」は「光源と印画紙を使った複製作業」だと思っていただければ、だいたいあってると思うわけです。

 

それ以外に「焼き」を使うものとしては、A1などの大判サイズ原稿を複製するための「青焼き」というものがありました。

設計図面などを複製するものでして、ジアゾコピーなどと呼ばれていましたが、一般的な言葉としては青焼きの方が普及してたんじゃないかな。

古い青焼きは、それこそ小さな判型のものもあったと思いますが、ゼロックスをはじめとするトナー式のコピー機通に伴って、大判のものだけ残った感じだったと思います。

 

むしろこの令和時代に「紙焼き」について調べなきゃいけない理由は、はたしてどういったところなんだろうか? 

 

という疑問が鎌首をもたげる感じです。

 

よければコメントなど残していただければ。