「もっと勉強しておけばよかった」と

うちの親はよく言う。

 

そして

「働いて家族の世話をしていたら

自分の時間なんてとれない」と

うちの母はよく言っていた。

 

幼い頃からその言葉を聞くたびに私はイライラした。

いつもは聞き流していたのだが

この間は何だか無性に腹が立った。

自分が家族を持つか否か考える

年齢になってきたからかもしれない。

 

 

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"勉強したかった"と

今は思うのかもしれないけど

当時はそう思ってなかった。

だから、しなかったんだよ。

まずはそれを認めるべきだ。

本当にしたけりゃしたでしょ。

寝る間も惜しんで、身を削って。

 

できたのにやらなかったから

あなたは後悔をしているんだ。

その時、その時で

できることをやり切っていたら

何十年経った時

そんな消化不良起こしてないだろう?

 

何かを得るためには

何かを捨てなきゃいけない。

人の両手で持てるものなんて限られてる。

そんなの子供でも知ってる。

 

働くことも、家族を持つことも、

あなた自身が決めたんだ。

その時々でベストの選択を

あなたはしてきたんじゃないのか?

 

そうではないなら

嘆くべきは環境ではなく、

きちんと考え、行動することを放棄した

過去の自分の怠惰な姿勢だ。

 

もしくは

見栄とか世間体とか

そういうものを捨てられずに

やりたいことをやらず生きる道を選んだ

あなた自身の弱さだ。

 

 

"家族の為に、私は時間を、人生を捧げました"

そんなのこっちは知ったこっちゃないんだよ。

頼んでもないんだよ。

あなたが願ってそれを選んだんだろう?

捨てることだっていくらでもできただろう。

私が昔、家を出たときみたいに。

 

自己犠牲なんてただの自己満足だ。

"犠牲"が見え隠れしてる時点で

向けられる側は

罪悪感に苛まれるんだ。

生まれてきてすみませんって

あなたの人生を邪魔してごめんなさいって

ずっと思わされるんだ。

それをもっと自覚してくれ。

 

後悔するなとは言わん。

ただ言い訳をするなよ。

自分の選択に

ちゃんと責任を持ってくれよ。

 

私は絶対

"あなたの為に生きたのに"

"(あなたのせいで自分らしく生きられなかった)"

と誰かに言ってしまうような

そんな生き方はしない。

 

 

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実際はもう少しオブラートにくるんだけど

割とこの文章そのまんま

遂に言ってやった。

予想通りの返事がきた。

 

"あんたは正論ばっかりで

ほんまに冷たい子や。 薄情者や。

育ててもらった恩も忘れて"

 

 

我ながらなかなか酷い子供だなぁと思う。

だが、それでいい。

薄情だろうが何だろうが、

30年近く言えなかったことを吐き出して

ようやく胸のつかえがとれた。

 

間違ったことは何一つ言っていない。

少なくとも私はこういう信念を持って生きてる。

 

 

ずっと私は

能力も人望もあった母が

何者にもなれなかったのは

自分の、家族の所為だと思ってきた。

でもそうじゃない。

彼女自身の弱さが、そうさせたんだ。

 

 

自分の選択に責任を持てない人間は

きっと何者にもなれない。

 

別に何者かになりたいわけじゃない。

私だってきっと何者にもなれない。

 

でもせめて自分にだけは

言い訳をしない生き方をしたい。

それだけだ。