帰りたくないのに、なぜ帰るの?


十数年以上経つが、忘れられない言葉がある。

悩みを聞いて貰っていた私は、この言葉にギョッとした。

弱りに弱った傷だらけの心にヒリヒリと沁みて、追い傷を負ったかのごとく、更に痛んだ。



家を出るなんて、できるわけがない


そう思いながら時間が過ぎ、結局心身共に酷い状態になった。自分も相手も。

このまま死ぬか、死ぬ気で離婚するかという境地に至り離婚した。


運良く今の師に出逢い、自分を癒すことを学べているが、そうでなかったら、どうなっていたかと思う。


ずっと押し込めてきた感情を観ていくことや、

相手や自分の人生に対する憤りを解いていくこと、

本当の自分の気持ちを見つけ出していくこと


自分を癒すことを知らなかった頃は、怒りが噴き出して手がつけられなかったり、感情から誤作動を起こしたり、やっとの思いで離婚しても、それで終わりではなかった。

めちゃくちゃになった自分を、一人で立て直すのはとても難しかった。


何年も掛かってやっと、あの言葉の真意と共に掴めたのは、すべてが自分により引き起こされていたのだという理解。


あの頃の私のように、苦しみの渦中にある人には、きつく聞こえてしまうかもしれないけれど、

「不幸」は相手のせいでも、環境のせいでもない。



自分がその状況に身を置くのを許していた

自分がその選択をしていた

自分が自分の為に行動していなかった

自分が自分を無視していた



状況を変えるには、

自分が変わるしか方法はない。



自分の為に生きるとは、本当はどうしたいのか、しっかりと自分に問い、そのように行動すること。


自分を置き去りにしないこと。


今なら分かる。

知人のあの言葉は相当正しかったのだと