いつの間にか梅雨入りしてました。。

梅雨は雨がシトシト降っていて
それはそれで心が落ち着くし
紫陽花の雫も美しく
レインコートのオシャレもできる
以前はそんな光景でしたが

最近は災害級の大雨だったり
熱帯のスコールを思わせる湿度だったり
随分と荒々しくなったものです。

それでも花の香は変わりません。

母がクチナシの花が好きで
この時期になると必ずリビングのテーブルに飾っていました。
クチナシの花を見ると

部屋の色と匂いを思い出して懐かしくなる。


当時は情報が今より遅い分、心に余裕があったのかな。
外のジメジメっとした空気を爽やかにする香りだったり、食べ物だったり
ちょっとした暮らしの知恵が生活を彩っていたように思います。

今週はこんな不順な天気を吹き飛ばすような演奏会へ行きました。


チョン・ミョンフン指揮のメシアン「トゥランガリーラ交響曲」は、晩年のメシアンが彼の指揮に立ち会い最大の賛辞を贈ったという記念的な作品

オーチャードホール、サントリーホール、オペラシティの3会場ともほぼ満席の人気演奏会となった。(サントリーホールは満席)

 


ピアノ、オンド・マルトノ、チェレスタにグロッケン・・そして打楽器は10種類
とにかく楽器が多くてステージが窮屈そうw

「この曲は複雑なリズムや和声をもつ決して易しい曲ではないけど、メシアンは子供のような純粋な精神の持主だから
ぜひ子どものような耳で聴いてみてください」
というマエストロの言葉のとおり
ただただ音を浴びて
不規則なリズムも全身で感じていたら
とても楽しくなった!

圧倒される凄まじい音も
不協和音が衝突しあう音も
たくさんの音が様々なリズムを刻んで
それらが集合体となって蠢く
まるで生きているみたいに。
インドネシアのケチャを連想しました。

録音でこの体験をするのはなかなか難しい
大ホールでの生演奏ならではでしょう。

オンド・マルトノは
実際に見るのも聴くのも初めてでした。
この音色の効果は絶大で
前衛的で壮大な宇宙を感じるSFファンタジーになっていた。
そして、原田節さんが暗譜で演奏されていて驚きましたw

務川さんのピアノは
キレッキレな演奏の中にも色彩があって
特に第6楽章の愛の眠りの庭では
ほんとうに鳥のさえずりが聞こえるようで素晴らしかった。
そしてグロッケンシュピールとの絡みで夜の庭の匂いまで感じられ
このまま天国に・・・と思うほど心地よかった。

これバレエ化したらいいんじゃない?って思い始めて、勝手にバレエリーナーが踊る舞台をイメージしながら聴いていたのですが
帰宅後にローラン・プティの振付でバレエ化されたことがあると知ってびっくり。
是非録画が見たいです。

80分休憩なしの演奏でしたが

耳も目もくぎ付けになってあっという間でした。

美しい音色オンリーの癒される音楽ではないと思うのですがw

子どものような耳で聴いていたら
脳が空っぽになるほど発散できたらしく
湿度が高いはずの夜道を

スッキリ爽快な気分で帰宅


こういう発散もあるのですね。