知人のステンドグラスの作家さんが
作品を都内にある古刹に寄贈することになったという。
その作品を見せていただいたら
溜息がでるほど
発色も構図も美しい蓮の絵でした。

設置することになる窓は
よく日本の寺社建築に見られるアーチ形だけど
私はその様式名を思い出せず
「蓮の花と垂れ壁の形がとても合いますね」
と言ったら
「これは火灯窓の建築様式に合わせた垂れ壁。
 トプカプ宮殿まで続く屋根や仏教伝来が偲ばれるわ」
と言われた。


同じ景色を見ても
彼女の想いはトプカプ宮殿まで飛んでいくのか・・
感動したと同時に
自分の想像力の貧しさを認識することになった。

そういえば
トプカプ宮殿に行った時も
他のモスクに行った時も
イスラム様式の屋根や美しい内装ばかりに目がいき
窓の形までよく見てなかった。
というより
見てるけど当たり前のように思って

何も感じてなかったと言うべきかな。

ひろーい大陸のどこかで
イスラム文化と仏教文化が
お互いに影響しあう所があったのかもしれない。

今もなお民族主義を掲げて争い合う大陸で
文化やお互いの価値観を超えて
当時の人々の心を動かすものがあったのかもしれない
そう考えると
希望の光が見えたようで嬉しくなった。

多様な文化を有する価値観の違う人と出会うことで
自分の先入観を捨てて違う見方ができるようになる。
そんなことを改めて感じました。


私がそのトプカプ宮殿を見たイスタンブール旅行は
もう30年も前のことだけど
個人旅行だったこともあり
ハプニングが色々あって
その後の私のものの見方、物事の考え方に大きな影響を与えた。

その一つがPKKによるテロ
グランバザール内のお店で買い物中に
3軒隣にあった両替商で爆発がおきた。

リラが大暴落していた頃で
お店のご主人が
ドルに換算するとゼロが多くなってわかりずらいからと
その両替商の前に一緒に行って
掲示されたレートで計算してくれていた。
もしそこを立ち去るのが3分遅かったら
私はこうやってプログを書いていなかったのだ。

翌朝の現地の新聞から
この爆発でフランス人とドイツ人の観光客数名が犠牲になったことと
3日に1回の頻度で観光客狙いのテロがおきていたことを知った。

そしてこの民族闘争は今でも続いている。

このところ、来日するクルド人の難民認定が問題になっている。

彼らが難民なのかどうか
背景がオスマン帝国解体後からの大きな歴史の流れにあって
単にPKKの問題だけではないという見方もある

だから
その判定はとても難しい・・
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話は大きく変わって
風の盆の話です。

週末に東京駅で開催された「富山・金沢・福井合同観光&物産展」で

おわらの演技を観てきました。

富山の「おわら風の盆」は
子どもの頃に連れて行ってもらって以来
その情緒ある風景と音色に私はぞっこんなのです。

とくに夜の町流しがいいですね。
薄暗いぼんぼりの明かりの中

石畳の古い町並みを
男女の躍り手と胡弓、三味線、謡手あわせて10人くらいの一行が
ゆっくりしっとり踊り進んでいく光景は幻想的で
まるで夢を見ているみたい。

そして
きびきびとした男踊りと優雅で艶やかな女踊りの対は芸術もの。
昔は女踊りに憧れ、真似して踊ったものですww


今回は哀愁おびた胡弓の生演奏も楽しみでした。
胡弓の調べを聴く機会はめったにないですから。

↓胡弓の演奏、手前は三味線

おわらを観た後は物産展で
富山のます寿司、福井の焼きサバ寿司、金沢の佃煮を買って帰り

食べながら余韻に浸りました。

全部食べてしまったので写真はないです。

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週末の異常な温かさで

元気よく春の花が咲き始めました。

そしてまた寒い週末を迎えます。

どうかお体ご自愛下さい。