一番好きな映画はなに?と聞かれれば
「ニュー・シネマ・パラダイス」と即答する。
ちょっと埃っぽいシチリアの村の風景に
アルフレードと少年トトとの友情と映画愛
切ないけど、心温まる
観た人の故郷になるような映画だと思う。
エンニオ・モリコーネのメロディはそれだけで聴いても素敵
だけど、アルフレードがトトにかける言葉や
あの美しい映像があるからこそ
曲を聴いたときに胸がぎゅっと締め付けられる。
この映画について語り始めると止まらなくなるのでww
ここら辺で止めておこう・・
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週末は「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を観てきた。
これはモリコーネご本人と映画に携わった方々のインタビューによるドキュメンタリー
私としては、「ニューシネマパラダイス」とともに大好きな
「ガブリエルのオーボエ」の話をご本人から聴けたのがとても嬉しかった。
もっと知りたくなって、
「あの音を求めて
モリコーネ、音楽・映画・人生を語る」
エンニオ・モリコーネ/アレッサンドロ・デ・ローザ著
を購入し、たっぷりモリコーネの世界に浸っている・・
この本には自筆の楽譜が少し載っているから
曲を聴いてて
ここの部分のことだな・・
と、本に書かれている解説がよく理解できる。
以前、映画音楽をピアノアレンジして弾かれた方が
音楽がすばらしいから映画がヒットした
というようなことを言っているのを聞いて
違う!違う!と思わず口にしてしまった。
映画「ミッション」については、映画よりも音楽の方がヒットしたかもしれない。
でも・・この映画の背景やセリフあっての音楽だと思う。
「ガブリエルのオーボエ」の曲に関して、
先に撮影が終わっていたから
まずガブリエル神父がオーボエを吹くシーンを観て
それから、
バロック時代後期にあたる1750年代のヨーロッパにおける器楽音楽を踏襲し
映像の中の彼の運指になるべく合わせて、
オーボエのパートを書いたそうだ。
それであの美しいメロディーが生まれるのだから驚く。
モリコーネはピアノを使わず、手紙を書くように楽譜を書いていたそうだが
シーンを観て、頭の中に音が鳴ってそれが溢れてくるのだろうか。
インタビューの中で、ある作曲家が
「モリコーネには二面性がある。彼自身にもなり、他の誰かにもなり得る」
と言っていたが、
ここが様々なキャラクターを音楽で表現することができる
作曲家としての優れた才能なのだろうと思う。
「ミッション」の組曲を演奏するコンサート(↑)では必ず
「ガブリエルのオーボエ」→「滝のテーマ」→「この地上が天国であるように」
と繋ぎ
最後に民族音楽を表現するパーカッションと宗教を表現するモテットが融合する。
でも、決してグアラニー族が入植者たちの価値観に服従するのではなく
この融合により彼らの反抗は続いていくのだ。
メドレー最後の3つのパートの対位法による合唱で
「彼らの反抗に忠実であり続け、平和の中でこの曲を演奏する度に、彼らの反抗を叫ぶのだ」
とモリコーネは言う。
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9.11の事件から生まれた「沈黙からの声」という曲は
この「ミッション」の組曲を引用して作曲されている。
人類史における大虐殺のすべてのためにこの曲を書きたいと考えたそうだ。
「ミッション」でのガブリエル神父のセリフ
「力が正しいのならこの世に愛は必要なくなる。
そうなのかもしれない。
私はそんな世では暮らせない。」
人間が持つ愛情深さと残忍さ
そこから生まれる様々な憎悪
人間にこの二面性がある限り・・続くのだろうか・・