3連休の初日、日中は外出できる天候だったのでもうすぐ終わってしまう展覧会へ急いだ。


「日本美術ひも解く 皇室、美の玉手箱」
期間中展示の入れ替えがあり、
今回はお目当ての若冲が見られるからなんとしても行きたかった。

行ってまず感動したのは
宮内庁三の丸尚蔵館の保存技術の高さ。

とくに源氏物語図屏風の色鮮やかさに驚いた。
もちろん修復が施されていると思うが
300年以上も昔のものとは思えないほどの美しさだった。
他の絵巻物も登場人物の表情もよくわかるくらい保存状態が良かった。

伊藤若冲の絵を直に見るのはこれが初めて
美術に詳しいわけではないけど、
日本画などの日本の美術は空間を大切にすると思っていたから
若冲の絵の構図は斬新に思えた。

まるでウィリアムモリスの壁紙みたいに花や鳥や虫が集って踊っている。

鶏とひまわりの絵(向日葵雄鶏図)は、枯れかけている数本のひまわりに朝顔が自由に巻き付いて咲き乱れている。


うちの庭の朝顔も梅の木やおおでまりの木に自由に巻き付かせていたから
若冲に時空を超えて共感できて嬉しかったww

池のそばの瓢箪に色々な虫 
蝶、カブトムシ、かえる、蛇、とんぼ、バッタ
たちがたくさん集っている絵(池辺群虫図)は、まるでみんなで合奏しているみたい。

ワルツかな、モーツアルトの木管アンサンブルって感じかな


なんて楽しく考えていたら、背後から
「わたくし、この絵は気持ち悪くていやだわ」
という声がした。


同じ絵を観ても感じ方は大きく違うものだ。
私には若冲が虫たちを愛おしく思って描いたように見えるけど。
わざわざ口に出して言わなくてもいいのに

ちょっと悲しかった。

若冲は外見にかかわらず生きているもの全ての
その生命の逞しさや輝きを描きたかったのかな。
生きていることを讃える歌が聴こえてくるようで感動した。

台風が去って風が冷たくなった。
これから紅葉が進んで、公園を散歩するのも楽しい季節。
コンサートも目白押しで楽しみ。
行ける時にたくさん行って感動したい。