きのうの、つづき。
をお渡しできなかったお客様のことを、気にかけつつ
2回目のお食事がはじまった。
2回目は、1回目のお食事のように諸悪の根源・ミールチョイスはないから、
安心していた。
機内だけではなく、みなさんもお感じでしょうけど
悪いことって重なる
このお客様も、がなくなっただけではきっとこんなに、立腹
なさらなかったはず。
その前の1回目の食事のチョイスもとおらなかったから、
ダブルパンチで、お怒りになったのでしょう。
そんなことも2回目では起こらないから、安心していたくるみに仲間の外人CAが
語りかけた。
くるみ~!!あたしの列のあのお客様、なんか怒ってるよ~。
英語通じないから、代ってよ。
わたしは、自分のサービスの手を休めて、仲間が指差す方向を見た。
わたしの方をぐるりと向いて、怒りのアイコンタクトを、なげかけるお客様を発見。
またまた、例のお客様だ~!!!
即座に、お席に向かったくるみに、お客様はのたまった。
この食事を、準備したのは誰?
後ろの乗務員全員ですが、なにか不都合でもございましたでしょうか?
わたしだけ、デザートが入ってなかったわよ。
ご存知のとおり、機内食はトレイに機内食工場の皆様によってセッティングされた状態で
搭載される。だけど、工場のみなさまも人の子。
ごくごくたまに(ほんとに、まれ)チーズが欠けていたり、今回のようにデザートがかけていたりする。
だけど、最終段階でお出しするのは、わたしたち。
わたしたちが、お出しするときに気づけば問題なしなんだど、仲間はきづかなかった。
申し訳ございません。すぐにお持ちいたします。
なんとお詫びをもうしあげてよいか。本日は、何度もこのような失礼をいたしまして
申し訳ございません。
いいわよ、もう。また、違うものがでてきても不愉快だから
が~ん
ことばで、いろいろ反論してくださってるうちは、まだ挽回の可能性がある。
お客様は、あきれてしまわれたのだ。
沈黙モードは、もっとも危険
わたしは、どうやってフォローしようかと考えた。
こういったときに必ず思い出すのは、JALで教わったこと。
外資は外資の強みがある。だけど、日本人のお客様への応対の時、いつも助けになるのは、
基本を教えてくれたJALの先輩方の応対法。
そうだ!!お手紙と、お土産だったわ
わたしは、お客様にビジネスクラスのシャンパンを、お詫びの品として
チーフにわけてもらい、簡単な手紙を添えてお席にうかがった。
お客様。本日はもうしわけございませんでした。お荷物になってしまいますので
もしよろしければなのですが、こちらシャンパンでございます。
お詫びには程遠い品ですが、お持ちいただけないでしょうか?
わたしは、このせりふを言いながら、これで、お客様は笑顔になられて
ばっちり、終了という、慢心を自覚していた。
それは、見抜かれた。
あなたね。もので済まそうっていうわけ?その考え方が気にいらないわ。いらないわよ。
が~ん。わたしはこういったリアクションをいただいたのは初めてだった。
今までは、いいわよいいわよ。とゆるしていただいていた。
すごすごと、ひきさがるくるみ。
手紙も渡し忘れていたから、再度書き直した。
そして、お休み中のお客様のテーブルの上に置いておいた。
そして、到着。
わたしは、お見送りをするためにドアサイドに立っていた。
あのお客様が、どんどん近づいてこられる。
もう一度謝らないと
そしたら、そのお客様が始めて笑顔を見せてくださった。
お疲れ様。おしごとがんばってね。
正直に、マニュアルにそってお詫びのご挨拶をしてしまったことや、
おにぎりとパンは、全員の数が載っていないこと、チョイスの不手際など
納得していただけるかはわからないけど、詳細に説明したお手紙を
お渡しした。
これでOKと思っていた、お詫びのやり方が
不十分であることが、わかったフライトだった。
やっぱりサービスに、正解と、終わりなし。
みなさんなら、どうやって切り抜けますか?