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先日Noëlのパーティーが無事終わった。

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テーブルを用意してT 22と呼ばれる陸上自衛隊でいう常装、制服で守備隊全員でメシを食べた。

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だらしのない生活が普通になってしまった人間は会話が冗長で軍隊のそれから程遠い、手伝って欲しい時も的確に表現できないので何をして欲しいのかも分からない時がある、それは酒を飲むともっと酷くなる。

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お世話になっている隊長と軍曹にいつも美味しい料理を作ってくれる調理師の兵長、もうおじいちゃんの40年軍務の兵長を除くこの手の類いはサラッと流してなるべく話さない、結論をアタマに持って来れない会話でこちらが疲弊してしまうのはきっと私の人格にも問題があるんだろ。

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だが私にとってとにかく食べたいものは食べたい、そうじゃないモノは要らないと言ってくれない気取ったオジサンってホントにキモい。

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ブタの丸焼きにせよマグロのオカシラにせよアタマは隊長にお伺いをして解体し、取り分けることにしているのは自衛官時代からのエチケットだがポーランド人の隊長は、

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「　普通の肉が食いてえ、ゲテモノはよく働くジャップのお前にくれてやる　」

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と、こうは言うが真面目な日本人好きの隊長がその頭部を放棄したので頂いた、先ずは解体してから食べるんだがマダガスカルのアホウが耳を食いたいというので切り分けてくれてやったんだがマダガスカルの社会でもアタマは高等部位の様で主導権をもって解体する私に対して駄々っ子のクソガキみたいな拗ね方をしたが、

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「　何が欲しくて何が欲しくねえのかはっきりしろ　」

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の問いに明確に答えないので60歳の爺ちゃん兵長にいい所を取り分けながら構わず解体して食い続けた。

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こういう奴と付き合うのはもちろん話すことすら時間のムダ、ここは外人部隊、意志表示ができない奴は全てを失うのは当たり前だ、だからダメはダメでも空挺出身者以外はモノの数に入れてもらえねえんだよ。

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それは行動量が圧倒的に不足しているから、それで他人様の信用信頼やステータスを欲しがるんだからキモいとしか言えない。更に言えば、

「　お願いだから死んで欲しい　」

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連れの子供や女の子、老人がいたら寄り添ってサーバントの様に徹底的に聴いてあげるが、ソレと同じ扱いを大の男で軍人、それも将軍でも高級将校でもない兵卒頭程度の身の上に求めるな、いやあ殺してやりたくなってくるわ。

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すると足元から、ゴツい黒い毛皮ボール、その下に蠢くムキムキ筋肉から放出される熱と気配、そして

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「　ウーーーッ、ウーーーッ　」

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という存在感マックスの唸り声が聞こえる、コレは実は日本好きの隊長の1歳になるブルドックのメス犬、その名も「　サヤカちゃん　」の、

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「　食い物をよこせ　」

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を意味する意志表示だ。

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さもないとお前のまっさらな制服ズボンにアタシの鼻水とヨダレだらけの顔面を押し付けて汚すぞと明確な意志表示で唸っていたのだ。

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高が兵長でお王子様の様な特別扱いを要求するキモくてムカつくクソオヤジと1歳のメス犬サヤカちゃんのこの風格／行動の差、もちろんテーブルの下にいるこの子とブタのアタマは全て美味しくいただいた。

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さっきのアホウだが、まだ30代でBMWに乗り彼女をとっかえ引っ換え遊ぶのは結構だが、上昇志向には周囲にも感じられる自他共に認める自助努力と責任が伴う、この若い兵長にはソレが無い。余計なプライドはともかく事務能力があるならさっさと軍曹に志願しろよ怠け者が。

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何度か話して聴かせてやったが整理整頓に詰所の最低限の掃除さえマトモにできず、警備の申し送りさえ当然まともにやらん男に意地悪は要らないにしても過ぎた扱いなど全く必要ない。

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頭蓋を外し目玉と脳みそを掘り出して一緒に半分ずつ食べた頃、サヤカちゃんは満腹になってソファーに大の字になっておやすみ、私も供出した日本酒を自分で緩にして料理長と隊長と乾杯ついでに挨拶してさっさと就寝した。

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人生のクオリティは自分自身の人生に求める要求の明確化から始まる。

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そしてそれを自分に命じて行動して取りに行く、公だろうがそうじゃない場だろうが関係ない、生きている限りずっとだ。

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そんなの当たり前だと笑う人はきっと上手くいっている人だろう。

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だが何を隠そうさっきのバカもそうやって笑った1人だ。

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そう言う奴の周囲には結局そういう奴しか集まらない、必要以上に時を共にするのはこっちの持ち出しだ。

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不平や文句ばかり言っている奴はその要求すら明確化できず、そして行動をしようとしない、というかできないのかもしれん。今日の準備作業でもチラホラ見えたがその要求も一貫性がなく曖昧で不明瞭なモノしか表現できない共通の特徴を帯びている。

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こういうテーブルの小さな場面でもそれは既に現れる、そうして獲物にあり付けない。

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恥ずかしがっていたいけに意志を読み取って貰える権利があるのは女子供と老人だけだ。

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伝統的な価値観、それは遺伝子レベルの価値観、を失わない男達や軍人が身を潰してまで守れとその使命に命じられるのも女子供と老人だけだ。

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自分が何者かが分かった上で魂を磨こうと思ったら自分の人生にそれを実現する厳しい要求を突き付けて、それを実現する方向の努力、自助努力以外の行動はしてはいけない。

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人生は短い。

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⁡今日も頑張ろう。

『 ブタの頭 』

『　ブタの頭　』