前回に引き続き、日本語の伸ばす音が、本当に「長母音」なのか、それとも「同じ母音の連続」なのか?
他の言語の"本物の"長母音を見れば、その答えは明らかになると思います。
私は「多機能トイレ」と聞いて、「滝のおトイレ」と言っているのではないかと勘違いしたことがありますが、
その謎の話もします。
日本語音声学者の立場としては、「日本語には長短の区別がある、と言った方がかっこいい。実は長短の区別ではなく、単に同じ母音を2個並べただけだった。結局日本語の母音は、ア、イ、ウ、エ、オの5個だけだった。」というのは寂しいかもしれません。もっと母音の区別を多くして、複雑に見せたいかもしれません。
ここに音声学者の葛藤があるのです。私もそうでした。
研究者も人間なので、「データ」よりも「感情」を優先してしまうことがあります。
しかし寂しがる必要はありません!
長短の区別ではなかったとしても、だから日本語の発音が単純だということでは、決してないのです。
こちらのレモンスクールのサイトに書いたので、よかったら見てやって下さい。