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日本を元気にする電子ビジネスマガジン『夢列伝』 ブログ

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 京王線府中駅とペデストリアンデッキでつながる商業施設の5階に「オレンジブーツ」というカフェがあります。このフロアは「プラッツ」という名前の府中市市民活動センターで、とてもオープンなスペースとなっています。ちなみに、オレンジブーツとはミツバチが脚に花粉をつけている状態を意味しています。

 同店を経営するのは株式会社サニーワークス(本社/東京・国立市、代表取締役/横須賀健)という外食の会社で、主に西東京エリアで展開しており、同店は昨年7月にオープンしました。

 

 同社社長の横須賀健氏は西洋料理の料理人としてキャリアを積み2004年4月創業の店である「くにたち桜花」を東京・国立にオープンし、同年11月に会社を設立しました。現在は飲食店8店舗とケータリングを展開しています。

 

 

 東京・府中市は長野・佐久穂町と姉妹都市を結んでいて、オレンジブーツでは佐久穂町の産品を同店の食材に使用する他、物販やパネル展示などで佐久穂町の魅力をアピールしています。このような同店の活動から、農業を身近に感じることができます。従業員のみなさんからポジティブな雰囲気が伝わってきます。

 

 横須賀氏は「世界は巡る」という価値観を持っています。「飲食店も同様。螺旋のように、食は作物ができで調理されて、食事をされて、廃棄されるという循環で成り立っている」と考える横須賀氏は、「それがもう一度再生するまで見届けたい」という発想から一次産業とモノづくりに着手するようになりました。現状は「養蜂」「野菜づくり」「酒造り」を行っています。オレンジブーツをはじめ同社の店には、このような発想が生かされています。

 

 

 

 

さまざまな外部と協調してポジティブに行動

 まず、「養蜂」は山梨・南アルプス市内で行っています。現地では、働き蜂5万匹、蜂蜜の年間生産量100㎏と事業としては小さいながらもポテンシャルの高さを実感しているとのこと。それは横須賀氏が第三者に「養蜂を行っている」ということを伝えると、相手のテンションが一様に高くなるという経験からこのような印象を抱いています。

 

 養蜂を手掛けることになったきっかけは就農のセミナーを受講しているときに東京・銀座で養蜂を行っている人と知己を得たことからで、都市養蜂の面白さを知りました。さらに東京・多摩市で養蜂を行っている人の活動に参加して養蜂のノウハウを身に着けました。そして3年前に養蜂を始めました。

 

 

 「野菜作り」について。これはかつて自社で取り組んでいたのですが、畑を維持するためにかなりの労力を必要とされて、自分たちだけで行うことに限界を感じて中断していました。現在は東京・八王子にある障害者施設のNPO法人が行う農薬不使用の野菜作りを手伝い、そこで生産された野菜を全量買い取りにしています。

 

 さらに「酒造り」について。同社が飲食業をはじめた2004年当時は焼酎ブームでお酒の品揃えを意識するようになり3年後にオープンした2号店の店名を「ごじんか」(東京・立川)としました。これは伊豆大島にある谷口酒造の「御神火」からひらがなでの名前を頂いたものです。同社とは、焼酎の研究を始めてから知己を得ました。それ以来10年くらいの付き合いをへて、谷口酒造の焼酎の仕込みを手伝うようになりました。

 

 横須賀氏はサニーワークスにおいて「養蜂」「野菜作り」「酒造り」に社員が関わることは、「従業員育成」の一つであると認識しています。実際にこれによってポジティブな効果が現れてきて、それを確信していきました。

 

 

 

モノづくりに没頭したことで明るい性格に変わる

 

 その象徴的な話として、谷口酒造におけるある社員の酒造り体験の話があります。ちなみに酒造りの手伝いは1カ月間現地に駐在します。この社員の場合、酒造りに向かう前に社内での人間関係に悩み同社を辞めたいという思いがくすぶっていたようでした。それが、飲食店の現場から離れて酒造りに没頭することによって心の状態が変わりました。 

 

 この時、横須賀氏も時折現地を訪ねるようにしたそうです。当人が派遣された当初は横須賀氏との会話を拒絶するような雰囲気がありましたが、後半のころには横須賀氏と会話するようになり、飲食店の現場に戻ってきてからはすっかりと饒舌な人間になっていました。横須賀氏はこう語ります。

 

 

 「その社員と私との会話が少なくなっていたのは、ボタンの掛け違いがあったからです。当社の社員が飲食店の現場とは異なる養蜂、酒づくり、また土にさわったりする中で、私やほかの社員と会話などするうちに、飲食店という食の仕事に携わることの原点が見えてくるようです。社員との関係性の中で最も重要なことは『対話』だと思います」

 

 冒頭で述べた通り、サニーワークスの飲食店は公共施設内が多く、これらはコンサートホールを擁しています。これらの使用料がさほど高くなく手ごろなものです。同社の店がこのような環境にあることによって、従業員に「君の好きなミュージシャンを呼んでみよう」という具合に、仕事への意欲をコンサートの企画という部分から盛り上げることができるそうです。特にオレンジブーツでは、これらの催しものと連動した企画を積極的に行っています。

 

 横須賀氏は、同社の店がこのような環境にあることから、「当社では飲食店の現場だけではなく、食に関わることで、広く社会とつながることを従業員に体感してもらいたい」と語ります。

 

 ちなみに、公共施設内の店舗が多い同社は、3・11の時にしばらく公共施設が閉館してしまい店を営業することができないということを経験しました。このとき横須賀氏は社員との関係性について深く考えたそうです。

 

 そこで横須賀氏は狩猟を始めました。その発想の原点には、「大きな異常事態が生じた場合に、自分たちで食材を調達しよう」という思いがあるそうです。現在は、自前で罠を仕掛けていて、この現場に横須賀氏が社員と一緒に赴く時にも充実した「対話」が存在するそうです。ここで調達するジビエは定番化していませんが、イベントなどでメニュー化しています。

 

 このように、サニーワークスという飲食業の会社では、それが関わる一次産業やモノづくりを従業員が一緒に行い、皆で対話をし、これらによってポジティブな社風を醸成しているのです。

 

 

 

この記事を書いた人
『夢列伝』編集長 千葉哲幸

 

外食記者歴35年。2017年4月エーアイ出版夢列伝』編集長に就任し、夢を語り、それを実現するために行動し、日本を元気にする人に出会うべく東奔西走。

 

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