はじめに
今回から、“英語の散歩道”とは別に、新しい企画も始めたいと思います。テーマは“教える英文法”です。
近日中にアマゾン・キンドルから出版する予定ですが、そのうち一部を公開することにしました。正確に言うと、内容の一部公開は企画段階から考えていました。
出版予定の電子書籍は《構文・表現解説》→《問題提起》→《解説》という構成になっていますが、当ブログでは、《構文・表現解説》→《問題提起》の一部を順次公開していくことになります。
“教える英文法”執筆の意図は、書籍の序文から引用します。
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「英語を教える立場の人」といっても、いろいろな人がいるでしょう。小学校で本格的に英語を教えることになって戸惑っている教師、英語教師を志望して教育実習が迫っている大学生―あるいは、社会人―、英語教育の経験が浅く自分なりの方法が確立していない教師、教師として中堅どころであっても教授法に悩んでいる人、なかには上の立場から自分たちが学んでいる英語を見てみたいと思っている高校生がいるかもしれません。立場は違っても、次の問題にぶつかることが多いかと思います。
英語をどう教えていくのか、あるいは、どう学んでいくのか。
この難題に一つの正解はありません。
教育は「生きもの」です。教える対象の生徒の学年、あるいは、習熟度、生徒が目指すもの、生徒の動機、あるいは、やる気、クラスの雰囲気、その他諸々の条件によって異なってくるからです。
ある程度の英語力を見込める生徒が対象なら、知識を深く掘り下げて説明することによって英語の考え方に対する理解が深まる可能性が高いでしょう、しかし、英語力があまりない生徒が対象の場合、英語に対する理解を深めるきっかけになるときもあれば、逆に、英語をますます難しいと感じさせてしまうかもしれません。
教える側の教師にしても、それぞれに与えられたスケジュールがあるはずです。深く掘り下げて解説すればそれだけ時間がかかります。予定していた範囲を説明しきれなかった、ということにもなりかねません。
「何をポイントにして授業を組み立てていくか」は、教える側の教師ひとりひとりが考える問題です。それに対する普遍的な正解はありません。
本書は、「英語、特に、英語を表現したり、読んだりすることに、英文法をどう生かしていけばいいのか」を長年の経験から一つの方向性を提示したものです。
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このように、教える側の視点に立って英文法を考えよう、というのが当書籍、あるいは、このブログ記事の目的です。
序文では具体例として2つのケースを取り上げましたが、2つとも以前に当ブログで触れた内容です。
次回はその2つの具体例について書きたいと思います。