前回からの流れで進行形を扱います。
「私はロンドンを訪れている」
を英語で表現すると
I’m in London.
I’ve come to London.
I’m visiting London.
となります。
今回のテーマは進行形なのでvisitを使った3つめの例文について考えましょう。
I visit London.
と英訳すると、
「私はロンドンを訪れる人間である(それが現在の真実である)」
という意味になって、おかしくなります。
「今、ロンドンを訪れている最中(訪れている瞬間)」なので、進行形にします。
さて、arriveを進行形で
He’s arriving at the airport.
と表現すると、どんな意味になるでしょうか。
進行形=瞬間性
なので、
「彼は空港に到着する瞬間である」
→「彼はもうすぐ空港に到着します」
という意味になります。
参考書や教科書に
往来発着を表す動詞が進行形になると近接未来を表す
と書いてあるのは、そういうことですね。
この文にthis evening「今晩」を付けると、彼が到着するまでまだ数時間あるような印象を受けます。
そこで
He’s arriving at the airport this evening.
「今晩、彼は空港に到着する予定です」
と、進行形が予定を表すことになります。
では
He’s visiting London.
も、
「彼はロンドンに着く瞬間である」
→「彼はもうすぐロンドンに着きます」
と、近接未来にならないのでしょうか。
そうはなりません。
「彼はロンドンを訪れている(最中である)」
という意味になり、すでにロンドンに到着しています。
is arrivingが近接未来になるのに、どうしてis visitingは近接未来にならないのでしょうか。
これは、それぞれの単語の意味が違いを生じさせているのです。
単語の定義を見てみましょう。
visitの定義は
go to see ~(OALD)
go or come to see ~(COD)
go or come to see ~(POD)
go to and stay with ~(RHCD)
一方、arriveの定義は
reach a place(OALD)
come to destination(COD)
reach destination(POD)
reach one’s destination / come to a certain point in the course of travel(RHCD)
travelは「移動」
定義付けでわかるように
visitはseeやstay withがあり、「着いたところにある物や建物を見たり、人に会ったり、滞在したりする」まで含んでいます。言い換えると、ある場所に着いていることを前提にしているのです。
従って、進行形にするだけでは、
「もうすぐロンドンに着く」
という意味にはならず
「ロンドンを訪れている」
(ロンドンに着いていて、それ以降の話をしている)
となるのです。
一方、arriveには、visitに見られたseeやstay withに相当する語句がなく、「着く」瞬間にだけ着目しているのです。
従って、進行形にすると
「ロンドンに着く瞬間である」
→「もうすぐロンドンに着く」
という意味になるのです。