夏目漱石の『こころ』という作品。
恥ずかしながら読んだ事もないし、題名すら聞いた事がない。それくらい私は学がない。
それでもネットに載っているあらすじを見れば「私」と「先生」のストーリーと、「お嬢さん」を巡って「先生」と「K」との三角関係のストーリーが描かれている事が分かる。
登場人物の名前がややこしい事もあり、おそらく息子にはその基本的な2本のストーリーが1本のように感じているらしい。息子のまとめを見る限りそんな気がする。
過去と現在で行き来して視点が変わって進むストーリーなんて、きっとドラマで見ればパッと分かるはず。文字だと理解するには情報が足りないんだろう。言語理解の低さが原因で想像力に欠けるという特性が出てるのかもしれない。
レポートと向き合う息子。
ザックリとしたストーリーを図のようにして紙に書き出し伝える私。
沢山時間をかけて絶対に答えを導きたい息子を止めたくても止められない。
こんなに頑張ってやっとの思いで答えを導き出してもまた次から次へやるべき事が増える。
こんな状態辛いに決まってる。
それでも息子は誰かに認められたくて自分の能力以上に頭を働かせてる。
私に出来ることって何だろう。
無力さを感じながらも今日も息子のこころに寄り添う。
私の言葉はまるで気休めで、吐いても宙を舞うかのように息子の目の前でフッと消える。
正解なんてすぐには出せない。
息子が悩んでいるように、私がどうしたら良いのか正解なんてまるで分からないし、今は出せなくて当たり前だと思ってる。
正解を早く見付けるよりも小さな気付きが希望になる。
せっかくだから『こころ』をきちんと読んでみようと思い、単行本を買う事にした。