観光地阿寒湖温泉の舞台で今も現役でアイヌのうた(ウポポ)を披露しているフチ(老女)たちがいる。彼女たちは古い歌のひびきを継承し、観光客に披露するとともに若い担い手たちに伝承しようとしている。アイヌ音楽も時代とともに変化をとげるのは仕方ないことであるが、伝統をしっかり受け継ぎ次の時代にすすみたいと考えているアイヌに寄り添い記録として残そうと千葉伸彦が録音をした。ギターリストでトンコリ奏者でもある千葉は録音した音を譜面化し、歌詞の解説と曲の紹介をする。
アイヌ伝統曲の独特な歌い方を知りたい人・学びたい人たちには参考書に、アイヌの歌をあまり聴いたことのない人たちにはアイヌの歌の世界を紹介する本になっている。また、アイヌ民族の写真を撮り続けている宇井眞紀子氏の写真も素晴らしい。
B5判 本文176ページ+CD2枚 ISBN978-4-905756-62-0
阿寒のうた〔ウポポ〕 2625円 クルーズ刊