小野田寛郎(おのだ・ひろお)さん
太平洋戦争中、陸軍の情報・諜報要員としてフィリピン・ルバング島に派遣された元日本兵。終戦後も任務が続いていると考え、約29年間ジャングルで潜伏生活を続けました。1974年、かつての上官から正式に任務解除を告げられて帰国。その後ブラジルへ移住し、牧場経営などに携わりました。
「彼のホロスコープから感じられる人生のキーワード」
① 冒険
② 幻想(曖昧な境界)
③ パートナー、他者
④ 食べる
⑤ 見えない敵
⑥ 究極の別れ
・天秤座の土星ドラゴンヘッド木星は、人は一人では生きてはいけないこと、その時その時を共にするパートナーの存在、他者との関わりの大切さを教えてくれる。
射手座で重なった月と火星を見ていると、何としても希望を以って生きようとする小野田さんの冒険エナジーを感じる。
しかし、わたしが最も伝えたいと感じたポイントは、海王星。海王星を甘く見てはいけない。海王星は幻、夢を表す天体でもある。境界を曖昧にする天体でもある。
魚座のリリス、水星、天王星を頂点に、ヨッドという角度を形作る天秤座の土星ドラゴンヘッド木星と、獅子座の海王星。これが何を表しているのか?
今は亡き小野田寛郎さんだけでなく、わたしにとっても、これを読んで下さる皆様のこれからにとっても、すこぶる重要なことだから。ヨッドの詳しい説明はここではしませんが、このアスペクト(角度)を眺めたとき、わたしが感じたのは、戦時中、情報秘密戦の陸軍中野学校で特殊訓練を受け、上官に「絶対に玉砕するな」、戦い続け生き抜けと教え込まれた小野田さん。
つまり、その時点で、小野田さんは自分の考え方で生きたのではなく、戦時下の特殊部隊の教えを刷り込まれ、自分自身の思考をハイジャックされていた。この考えが身体に魂に沁みついていたからこそ、小野田さんは決して投降しなかった。生き抜いた。星はその人が主体的にどう捉え、どう生きるかによって、全く異なった生き方になる。小野田さんは、自分自身の考えではなく、戦時下に上官から叩き込まれた思考で、29年間、フィリピンのルバング島で潜伏し続け、生き抜いた。他者に叩き込まれた幻の思考で。わたしはそこに、「思考をハイジャックされる」という海王星的なテーマを感じたのです。
小野田さんは、1974年3月10日に投降し、3月12日に、29年ぶりに日本の羽田に帰還。しかし、あまりにも生きづらい日本を1年足らずで脱出し、次兄を頼って、ブラジルに小野田牧場を作るべく、永住を決意、実行したのである。
この短い期間に何が起こったのか?一言でいえば、幻、幻想を刷り込まれ、ずっと
ハイジャックされていた小野田さんの思考が、自分自身の思考に目覚め、自分の人生を、自分の命をもう一度生き直そうと切り替えたのではないか。戦時下の特殊部隊の上官の絶対の教えから脱却し、自分の感情を取り戻し、自分自身の思考でゼロからもう一度自分の人生を生きようと決めたのではないか。
海王星の恐ろしさ。海王星には、夢、幻、詐欺、癒し、境界の溶解、曖昧さなどさまざまなイメージがあるが、どう捉えるかは、その人次第。境界の溶解、曖昧さゆえに、自分の考えなのか、誰かの考えなのかが、わからなくなってしまう恐ろしさ。29年間、フィリピンのルバング島で、陸軍中野学校の上官の言葉を刷り込まれ生き抜いてきた小野田さんが、1974年日本の変貌した姿を見て、そのハイジャックされた思考が少しずつ解除され、「自分の人生を生きる」方向へ舵を切ったように見える。ずっと自分の思考だと思っているものは、本当に自分のものなのか?という問い!
これは、今を生きるわたしたちすべての人に、問われているものなのかもしれない。わずか1年で日本を脱出し、新天地ブラジルへ旅立った。現在2026年8月、トランシットの海王星は火の星座である牡羊座を運行中だが、牡羊座といえば、12星座の最初、始まりの星座、自分軸の星座である。これを他人に明け渡したり、他者に投影、同期したりしてしまうと、自分の人生を他人にあずける。悪く言えば、他者に刷り込まれた考え方で生きかねない。
わたしがなぜ、こんなに小野田寛郎さんのことが気になって、日ごろはあまりみないテレビのアナザーストーリを見たのか?それは、長年ずっと、自分自身のホロスコープの海王星を、父親に投影し、父親に同期してしまっていたからである。依存、共依存でもあった。その過ちにあらためて気づかされてくれたのが、小野田さんの姿でもあったのだ。自分の人生は自分のものである。親の人生は親のものである。親のかなしみも、よろこびも、それは親のもの。わたしのかなしみも、よろこびもわたしのもの。海王星はそんな境界を曖昧にしてしまう天体でもあるが、今こそ曖昧にしてはいけない。今こそ自分という輪郭が必要。
決して冷たい意味ではなく、親や親友、師匠であっても、かろやかに一本の境界線を引く勇気が必要。今こそ、自分という輪郭、わたしという輪郭が求められている。
小野田さんが新天地ブラジルへ心置きなく旅立ったように、わたし自身も今、新天地に真に旅立とうとしているのがわかる。父親の人生でも、師匠の人生でもない、誰のものでもない、自分自身の人生を、自分の感情と思考で生きていく。海王星と土星が火の星座牡羊座を逆行している今、この文章を読んでいる人に、決して自分の感情、思考を、人生を他者に明け渡さないように、ハイジャックされないように、ただただ、ささやかでも自分自身を生きてほしい。そんな思いで久しぶりに書きました。
もちろん、自分自身に言い聞かせるように!ずっと自分の思考だと思っているものは、本当に自分のものなのか?という問い。それは決して簡単に答えられるものではありません。だからこそ、あなた自身、わたし自身を真に生きることに繋がっているのかもしれません。
