周南緑地公園の見回りパトロールを終え、

施設に付近まで帰り着いた時に、周南市民の方より1本の緊急電話が入りました。

飼い犬が赤ちゃんを産んでいるので、引き取り保護して欲しいと言う事で、緊急で依頼主の元へ駆け付けると

1匹の乳飲み子が、動画撮影するのも忘れるほどの瀕死状態でした。

依頼者様に詳細な話をお聴きすると、お母さん犬は、お家の庭に犬小屋を設置し飼育している子で、毎日朝夕の2回散歩に行っているとの事で、妊娠しているのも解らなかったらしいです。

家の庭に野犬が出入りしているを見た事も無いらしいです。

依頼者様もなぜ赤ちゃんが生まれてるの?状態ですね。

 

この時点では犬小屋の中で赤ちゃんの声が辛うじて聞えている状態でした。

取り合えず私が赤ちゃんを犬小屋から取り出すと、驚きの光景が、赤ちゃんに無数の噛まれた傷があり、瀕死状態でした。

傷にも驚きましたが、明らかに低体温症に陥っていましたので、いつも車に常備している新しいバスタオルで包み、使い捨てカイロで温め、少し冷静に考えました。

午前3時に空いている動物病院など在りませんし、傷口からは出血もしていないので、小屋の中を隈無く調べると、ほぼ血の後も無いので、母犬が噛んだと考え辛い状況でしたので、出産中に野犬が入り込んで来て、赤ちゃんを母犬と奪い合いに成ったのでは無いかと想定しました。

現地ではどうする事も出来ず、依頼者様に、母犬を玄関内に入れ赤ちゃんが生まれたら、お母さん犬も預かり、赤ちゃん犬は引き取りに来ると伝え古い毛布などを頂き出産の準備をして、瀕死の赤ちゃんだけを連れて帰ってきました。

初乳を飲んでいない事も想定し、母犬から少し搾乳して持って帰ってきました。

施設に帰り着き初乳を飲ませる・傷に薬を塗り・これ以上低体温にならない様、賢明に処置をしましたが、8時前に息を引き取ってしまいました。

傷はこちらの画像で確認してあげて下さい。

 

噛まれて穴の開いた傷が15箇所以上ありました。

すべての傷を撮影出来ていませんが、頭まで噛まれていました。

1枚目の画像を見て頂けましたら解るかと思いますが、臍の緒もまだ乾いていません。

性別は男の子ですが、生殖器が発育していないので、未熟児の様です。

母犬から搾乳する時にお腹をさわりましたが、お腹の中には赤ちゃんが居ないように思いました。

依頼者様曰く妊娠しているのも解らなかったとの事ですので、元々少なかった(1匹か2匹)だけだったのかも知れません。

施設も母犬と赤ちゃんを受け入れるスペースを確保し、準備は整えました。

 

まさに今回の痛ましい悲劇は、野犬が起こした悲劇です。

家の庭に入り込み飼い犬と交尾をし、妊娠・出産、出産時に野犬が入り込み赤ちゃんを襲撃、二度と起きてはいけない悲劇です。

餌ヤリの方、責任は取れますか?

貴方方が餌を与えている子が、赤ちゃんを強奪し食べた可能性があるのですよ、責任を取りなさい。

責任を取るべきです。

この様な悲劇を二度と起こしてはいけません。

母犬が命懸けで野犬から守ったと思われる子供がこの状態で亡くなったのです。

この状態で良く4時間以上生きてくれたなと素直に思います。

恐らくこの子の身体の中には血は残ってないと思います。

この子が私と同じ時代に生まれ生きた証は私の脳裏に焼き付けておきます。

勝手に『いのち』君と命名させて頂きました。

『いのち』君は明日にでも、火葬して貰いお別れしてきます。(依頼者様に連絡し、了承済み)

後の子はまだ産まれていないと言う事です。