今から 十数年前


 私と彼が出会ったのは 夜の街でした。


 クラブでホステスのバイトをしていた私、そして 接待で訪れた彼。


 割によくある この出会いが 


 それからの 私の数年間を変えることになりました。


 取引先を 接待するために訪れた彼は


 関西弁の オーディオ・メーカーに 勤める 30代前半の男でした。



 いたずらっ子みたいな 瞳が 私を捉えると 


 チョコチョコと 私に ちょっかいをでしてくる・・・


 ”おいおい、あなたは 接待する側でしょうに・・・”と、思いつつも


 そんな彼になんとなく ハートがくすぐられたのを覚えています。



 彼の口から ”オレとつきあってよ”の言葉がでてきたのは


 その日から 一週間後。


 食事に誘われた日に 二つの告白をされたのでした。


 一つは ”付き合いたい”ということ、


 もう一つは ”結婚して子どもが三人いる” ということでした。



 正直 ショックだった。



 だって・・・・・やっぱり 食事に誘われて出掛けるくらい


 彼のこと 興味があったし、タイプだったから。


 ショックをうけつつも、私の 返事は 決まっていた。



 ”また・・会おうね”    それが 私が彼に言った言葉でした。