オットと国立大1年生息子との3人家
オットは転勤で 同県内に単身赴任中
息子は   自宅から電車通学

R3.4月  遠方独居の父の認知症発覚で
遠距離支援・介護がスタート

モラハラ・パワハラ親父が
認知症により  更に自分本位の
身勝手なじいさんへとパワーアップ

令和5年4月の終わりから
我が家の近くの
介護付き有料老人ホームに
入所しましたが
娘に財産を奪われた
……という思い込みと
強い帰宅願望があり
中々安心できません

男尊女卑の父・長男信仰の母に
贔屓され甘やかされて育った兄は
借金を繰り返した挙句出ていき 
20年音信不通の所在不明

息子娘格差で
悔しい思いをして育った私が
父と実家の面倒ごと全てを
背負う羽目に⋯

オットはオットで
依存心が強く粘着質の義母の世話で
度々 遠方の実家対応に通ってます
アマプラ配信の映画を観たら
調子づいちゃって
「よし  もう1本」と勢いで鑑賞した映画


早朝の民家で
老人と訪問介護センター所長の死体が
発見された
捜査線上に浮かんだのは
センターで働く斯波宗典
だが  彼は利用者家族に慕われる
献身的な介護士だった
検事の大友秀美は
斯波が勤める訪問介護センターの
利用者の死亡率が異常に高く
斯波が働き始めてから
利用者の死亡が
40人を超える事を突き止めた
真実を明らかにする為  
斯波と対峙する大友
すると  斯波は  自分のした事は
「殺人」ではなく「救い」だと主張


彼は  なぜ   多くの老人を殺めたのか
そして彼の言う「救い」の真意とは
何なのか?
被害者の家族を調査する内に
社会的なサポートでは賄いきれない
介護家族の厳しい現実が浮き彫りに…



というストーリー


この映画  2016年に起きた
神奈川県相模原市の
知的障害者福祉施設での事件が
元ネタと言われてる方もおられるようだけど
原作の刊行は2013年で  事件より以前のもの





人の命を奪うことは 
いかなる理由があっても 
許されるものでは無い…



間違いなく  これは正しく
当たり前のことなんだけど



そんな当たり前の事が
綺麗事にしか思えない…
そんな感情もあるよね…って事で…
非人道的な事も書くので
不快に感じそうな方は
ここで  ブラウザバックして
また  次回   寄ってくださいニコニコ



※ネタバレ含みます



斯波宗典は
介護士の鑑と言っても良い
素晴らしい介護士
要介護者さん自身は勿論
その家族にも  とても優しい
実の家族のように振舞ってくれる



そんな彼が  なぜ
大勢の老人を殺めたのか…



あっさりネタバレしちゃうけど
それは…



彼自身が
壮絶な介護の経験者だから


彼が20代の時の事だから
ヤングケアラーになるね



その介護の壮絶さは
言葉では言い表せないので
是非  映画を観て欲しいんだけど
(ネタバレしといて申し訳ないが💦)



彼の父は脳梗塞で倒れ
以降  介護が必要になり
斯波は  正社員として務めていた会社を辞め
家の近くのコンビニでバイトしながら
父親を献身的に介護するんだけど…
大変でも  最初は良かったの



シングルファーザーだった父親は
ひとりで彼を愛情深く育ててくれて
斯波はそんな父が大好きだったし
介護が始まったこ頃は
右半身に 麻痺が残っているものの
父親とは  意思疎通も出来て
ひとりで家に居させても大丈夫だったし
大変ながらに
仲睦まじく穏やかな時間
過ごせてた




でも  父親に認知症の症状が出始め
そこから  一気に介護生活は
地獄に変わっていく



徘徊・下の世話・不穏…
目が離せなくなり
短時間のバイトすら出来なくなり
生活が困窮
どんどん認知症は進み
斯波は 追い詰められていく…



正気に戻った父から
「生きていても  俺もお前もつらいだけだ
  つらいだけ…は  もう終わりにしたいんだ
  宗典  お前のことを覚えてるうちに
  死にたいんだ
  人として死にたいんだ」
そう懇願されて  彼は父を手にかける…




父の死に事件性は無いとされ
斯波は 殺害がバレなかったことから
それを運命のように感じてしまい
認知症患者   それを支える家族
いつ終わるかわからない
地獄のような介護生活
そんな患者や家族を救いたい
そう思ってしまったわけ




彼は  介護士になり
多くの利用者さんや
その家族と接していき



認知症が進行しているのに
施設に入れられない
介護者が疲弊し 生活を犠牲にし
その家族にまで影響が及ぶような
そんな家族に出会うと

「あの時の父親と自分」を  
その介護家族と重ね合わせてしまい
救わずに居られなくなる…





斯波と検事の大友秀美が
対峙する場面でのやりとりが
かなり  胸に刺さるものだったので
一部  抜粋しておきます





斯波
この社会には穴が空いてる
一度でも落ちてしまったら
この穴から  簡単には抜け出せない
穴の底で  膝を折って
手をついて家族を支えていると
おかしくなってくるんだ



検事
どれだけ事情を並べても
あなたが身勝手な犯罪者であることに
変わりはありません



斯波
検事さん  あなたがそう言えるのは
自分は絶対穴に落ちない【安全地帯】に
居るからですよ



検事
どのような過酷な介護であろうが
そこには苦しみも喜びも悲しみも
一緒に暮らし  分かちあった者にしか
わからない   深い感情があるのです
大切な家族の絆を  
あなたが 断ち切っていいわけが無い!



斯波
絆…それが  どれだけ
家族を苦しめているか
検事さん  1ヶ月
いや1週間でいいから
介護を経験してみたらどうですか?
あなたみたいに  安全地帯から 
きれい事を並べる人間が
穴の底を這う人間を
余計に苦しめるんです


 

それでも家族なんだから…
親なんだから…


その絆が  介護家族を苦しめてる
…これは  現実で事実だよね


絆で結ばれてるから
家族だから…親だから…
この言葉は  介護においては
何の救いにも
励ましにもならない気がする





映画内では  斯波の刑は
明確にされてないけれど
42人も殺めているのだから
死刑の判決だったのだろうと思う



被介護者を殺された家族の中には
斯波を恨む人も居たけど
「救ってくれた」…という人も居て




矛盾だし  残酷だけど
どっちも間違ってない…



介護においては
倫理観って何?正義って何?って 
本当に  わからなくなる



映画内で描かれる
介護の現場が  壮絶すぎて…
介護される側   する側
どちらの立場からも
生き地獄のような世界



どちらも救う為には
やはり   安楽死を法的に認めるしか無い
…と  思ってしまう



斯波を演じた松山ケンイチさん
検事役の長澤まさみさん
斯波の父親役の柄本明さん
鬼気迫る演技で圧巻
涙無しでは観られませんでした



 大学1年生の息子には
チック症状があります
(運動チック・音声チック)

10歳前後の最悪気を乗り越え
中学生時代は周囲からも
「治った」と思われるくらい
症状が軽快しましたが
過度のストレスや疲れ
環境の変化等で症状が強くなることも·····
·····とは言え  日常生活は
ほぼ影響なく過ごせてます