切り傷やすり傷があるケガをしてしまったとき、消毒し、乾かして、ガーゼをあてるというケアにはデメリットがあることがわかってきました。
・消毒することのデメリット
消毒液は細菌やウイルスを殺しますが、治そうとする細胞も殺してしまい、皮膚が元に戻る力を奪います。
・乾かすことのデメリット
傷からしみだすジクジクした浸出液(しんしゅつえき)には、白血球や皮膚の細胞の再生を促す成分がいっぱい含まれます。乾かすと傷の保護ができないので、回復が遅れるだけでなくきれいに治りません。
・ガーゼをあてることのデメリット
傷が治るための大切な浸出液を吸い取ってしまいます。また、ガーゼ交換のときにせっかくできた新しい皮膚の細胞を一緒にはがしてしまうので、痛くて出血もし、回復は遅れます。
家庭でできるウェット療法
ここでは食品包装用ラップフィルムを用いての簡単なウェット療法を紹介します。ドラッグストアで販売されているワセリン、サージカルテープを準備します。食べ物を包むためのラップフィルムは、人体に害はなく心配はいりません。
① 水道水で傷と周囲を洗い流す。
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② 出血している場合、清潔なガーゼなどで押さえ圧迫する。
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③ 出血が止まったら、ラップフィルムに直接ワセリンを塗り、傷にあてる。
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④ ラップがズレないようにサージカルテープでとめる。包帯で巻いてもいい。(入浴可)
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⑤ 1日1回、傷をよく洗う。(消毒不可) ③、④を繰り返す。
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⑥ ツルツルの新しい皮膚ができたら「治った」と判断。通常は4、5日です。


