現在、私は精神科で研修中です。同じ時期に二年次研修医のS本先輩と精神科で研修をしていました。彼は心臓外科医志望のキレモノで、あまり笑ったりせず、少し怖めの顔をしています。彼とは、4月くらいに麻酔科研修時や救急外来での当直時に一緒になり、色々と教えてもらいました。しかし、怖めの風貌もあり、近寄り難い雰囲気ではなかったです。それもあり、こちらから声をかけることはあまりなく、救急外来で一緒になったら少し話す程度でした。

 

精神科では入院患者も受け持ちますが、主な仕事は外来での初診患者の予診を担当することです。一時間くらい本診察前に話を聞いて、その後の診察をある程度スムーズに進めるというのが僕らに求められている仕事だと認識しています。先週に、中学生の患者さんが希死念慮でやってきて、紹介状からはなかなか複雑そうな患者さんでした。どの患者を担当するか研修医同士で選べるので、S本さんがその人は大変そうだから担当したくないとのことで、僕がやりました。たしかに複雑そうな病歴でしたが、あるイベントをきっかけにうつ状態になり、死のうとしていたそうです。そんな病歴をカルテにまとめ、本診察でも入院したほうがよいとのことで、医療保護入院となりました。

 

本診察、入院手続き、病棟へ移動などを経て、その日の午後に、研修医室でS本さんとその患者について話しましたが、僕のカルテがよくまとまっているとのことで、褒められました。本診察時にも精神科専門医と専攻医にも褒められましたが、強面のS本さんからの意外な反応に、ビックリした半面、嬉しさもありました。