メメント・モリ
押忍。武道+酒マニアです。
時間が空いてしまいました。
手術した左脚の動作はまるで気にならなくなり、逆に右脚の変形性股関節症の症状はやや悪化。でも元気に生きております。
この1週間で、私と親しい人が2人他界しました。
1人は私が41歳で剣道を始めた頃、とても丁寧に教えてくださった先生。
もう1人は、武道具店で顔を合わせて、時折話すだけの存在でしたが、同い歳の剣士でした。
彼は裕福な家庭に生まれ育ちましたが、そんなことを鼻にかけることもなく、どんな人にも気さくに話せる人でした。
私からすれば、とても人徳のある人。
そんな彼に一年ほど前、健康診断で癌が見つかりました。
それからは会社も休んで闘病生活。
でも、いつも前向きで、癌が完治したら、もう一度剣道をやるんだ、と自分用の新しい胴を作ったり、母校の剣道部に胴胸をデザインしたものを寄付しようとしたり。
でも、望みは叶いませんでした。
今日、訃報に接し、武道具店でご自宅の場所をお伺いし、弔問に行ってきました。
葬儀は週明けなので、家にはご遺体があるだけ。その前に数人のご家族がおられ、棺の前には彼が使用していた剣道具が並べられていました。
何を言おうか色々考えておりましたが、その言葉はすべて吹っ飛び、言葉が出てきません。
この度はご愁傷様です。
それを言うのが精一杯でした。
こんな年老いたご両親とこんな奥様とお子さんがいたんだなと改めて思ったのでした。
家を後にすると、何か我慢していたものが切れてしまったのか、とめどなく涙が溢れてきます。
帰りの電車内は最悪です。
いいおっさんが泣いている。
そしたら、
つい最近見た韓国ドラマを思い出しました。
『もうすぐ死にます』
というドラマ。
Amazon プライムで視聴することができます。
少しネタバレがあるかもしれませんので、今後観たい人はここから読まないでください。
主人公はいい大学を出たけど、自分の望む企業に就職できない青年。
数年間アルバイトをしながら就職活動を続け、また本命企業の最終面接まで辿り着きます。
でも、やはり落ちてしまい、お金もなくなり、青年は絶望し、ビルから飛び降り自殺をします。
目が覚めると、自分を『死』だと名乗る女に出会います。
自殺した罰に12回死んでもらう、と彼女。
それから、青年は12人の人生を生きることになります。
どういう結末かはご自分で観てみて。
そのドラマをひと通り見ると、
どんな人生であれ、健康で生きているだけで幸せなんだ
と思うようになるはずです。
そんなことを考えていたら
メメント・モリ
というラテン語を思い出しました。
ミスチルの曲のタイトルにもなっています。
死を思え
とか
自分がいつか死ぬことを忘れるな
という意味。
現代では主に「死を意識することで今を大切に生きることができる」という解釈で用いられることが多いようです。
今週はそんなことを思い知らされた1週間でした。