垂れカバー?(名前の移り変わり)
先日、武道具店にいたら、
後で入って来たお客さんが
垂れカバー
をお願いしたいんですけど
と言う。
ん?垂れカバーってなんだ?
と思う私。
胴カバーなら分かる。
こんなもの。
〈胴カバー〉
※武道園さんのものを使用させていただきました
竹胴など高価な胴台の漆塗りの面を傷つかないように保護するものだ。
でも、垂れカバーって何だ?
綿素材でできた垂れを保護する必要があるんだろうか?
余程高い手刺しの防具なんだろうか?
そんなことを考えた。
店員さんがそのお客さんに訊く。
垂れカバー?
どういったものでしょう?
すると、そのお客さんは店内に飾ってある
『名札』を指さした。
〈名札〉
※村木武道具さんの写真を使用させていただきました。
あー。ゼッケンですね。
※全日本剣道連盟によると、現在はゼッケンではなく『名札』が正式名称だそうです。
私もようやく理解できた。
そのお客さんにとっては、垂れに付いてる(カバーしてる)ものだから、垂れカバーと呼んだらしい。
ほー。そういうことか。
でも、初めてそんな風に呼ぶ人に出会ったな。
私も『ゼッケン』と呼ぶけど、全日本剣道連盟が『名札』と正式名称を定めるまでは『ゼッケン』と呼んでいたためだ。
話は変わるけど、
剣道の世界以外でも、私の若い頃に比べると、名前が変わったものが幾つか思い浮かぶ。
例えば、
・ズボン→パンツ、ボトムス
・Tシャツなど→カットソー
・上着→アウター
・扇風機→サーキュレーター
※扇風機の件は、本当は違いがあるらしい
です。でも、同じもの!と思う私。
などだ。
こんなことを書いたら思い出したけど、
先日テレビを見ていたら、女芸人さんが
この前、お店に入って服を探してたんですよ。
店員さんに
上着が欲しいんだけど、なんかない?
と言ったら、
店員は少し考えて、
あっ。アウターのことですね。
少々お待ちください。
とか言うんですよ。
上着で良くないですか?
笑笑。
この店員さんにとっては「上着』ではピンと来ず、自分が普段使ってる『アウター』って言葉に置き換えたんだろうな、と思う。
あと10年、20年経ったら『上着』は死語になって、通じない言葉になってるのかもしれないな。
そんなことを考えた週末。