友人との箱根旅行の帰り、小田原の喫茶店に立ち寄ることになった。
箱根神社から直通のバスに揺られて約1時間。気づけば、あっという間に小田原へ着いていた。

駅から徒歩20分ほどの場所にある「純喫茶・途上園」。友人がInstagramで見つけてくれた店だ。

一歩足を踏み入れた瞬間、私は圧倒された。

壁にも天井にも、そして机の上にまで――ありえない量の時計が、ずらりと並んで待ち構えていたのだ。

さらに、楽器やトランプ、カメラなどの雑貨たちも、絶妙なバランスで飾られている。どれも古びているのに、くすんでいなくて、ただただ「素敵」だった。いったい店主は、どこからこんなモノたちを見つけてくるのだろう。

スイーツは写真の中から選べて、私はプリンとアイスコーヒーを頼んだ。


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プリンとアイスコーヒーにした♡



トランプ柄の食器にのせられたその姿がまた可愛くて、胸が小さく跳ねた。

ちくたく、ちくたく。
時計の音が絶えず耳に届く。

その音を聞きながら、ぼーっとしたり、友人と顔を見合わせてにやにやしたり、プリンを一口ずつ丁寧に味わったり、本棚の本を手に取ってページをめくったりした。

いつもなら、同じくらいの時間をスマホに吸い取られてしまう。

けれどここでは、同じ「時間」が、まるで別の質感を持って流れているように感じた。
私はそのとき、「今」を大切に生きている、と確かに実感した。


時間がテーマの空間だから、もしかしたら――と思って探すと、ミヒャエル・エンデの『モモ』がやっぱり置いてあった。


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やっぱりあった!!!


小学生のころ、読書感想文を書いて表彰された、思い出の作品。

大人になった今、もう一度読み直したい。

あの頃と今とでは、きっと抱く感想が違うはずだ。自分がどう感じるのか、それが楽しみでたまらない。

店内には、来た人が自由に書けるノートも置かれていて、感想がびっしりと綴られていた。
こんなふうに誰かに感動を届けられる場所をつくれる店主は、本当にすごい。そして、きっとものすごく幸せ者なのだと思った。