うちの娘の病気、くも膜下出血の正式名称は前大脳動脈瘤破裂
発症後のCT画像では、脳が全体的に腫れてダメージを受けていました。
発症1週間後のCT画像では、ダメージは受けているが脳自体ははっきり写っており、壊死して黒くなってしまっている部分はほとんどないとのこと。
発症2ヶ月半後のMRIでは、一時的に萎縮していた脳があんまり戻っていない。これが戻らなければ、発達の遅れは避けられない。運動野に小さな梗塞がみられる(これが左半身麻痺の原因だろう)。
そこから現在約半年、画像撮っていないので脳が今どうなっているのか分かりませんが、
前頭葉やられてんなぁ…
と、常々感じる日々です。。
脳卒中でこのブログを見られてる方はご承知の通り、娘が破裂した前大脳動脈は前頭葉を走る動脈、一番前頭葉へのダメージが大きいです
前頭葉といえば、記憶や感情、社会的振る舞いだけでなく、様々な情動の〝司令塔〟。
とにかくここが働かなければ始まらない
最初の記事にも書きましたが、
娘は病気になる前の記憶が一切ありません
さらに、これは口に出すと自分も辛いんですが…
娘、病気になってからまだ1回も泣いてません
よく脳卒中で聞くのは感情失禁、ものすごく感動したり怒りっぽくなったり。
子どもならとにかく一日中泣いたり怒ってばかり。。
大変な思いをされているお母さんも多いと思います
でもね、泣かないのもそれはそれで辛いものです。
8月頭にICUから出て小児科に移ってすぐは、ナースステーションの隣の部屋で24時間管理されていました。
部屋には他に2人お子さんがいて、同じ病院のNICUで産まれた生後数カ月の赤ちゃんです。
娘はICUを出てからは呼吸の乱れや発熱もなく、体調的には安定していたので、看護婦さんも「よかったですね、この調子だとすぐに一般のお部屋に移れますよ
」と声をかけて下さっていました。
確かに娘の体調は安定しています。
でもね、その同室の赤ちゃん達はお母さんが恋しいと、お腹が空いたと、オムツを替えて欲しいと一生懸命に泣くんです。
娘はまだ意識障害の真っ只中。
家族が来てもリハビリしても表情1つ変えずただぼんやりと過ごしていました。
こういったことに、比べるとか出来ないんですよね。
管理されているってことは、急変が絶対にないとは言い切れない。その子達も生きることに必死です。
娘だけでなく、ここにいる全ての子供達が元気になって欲しい、心からそう思うんです。
でも時々、こんな小さな赤ちゃんが出来ることが、娘は出来ないんだな…とか、私が恋しいと泣いて欲しいな、とか思ってしまっていました
とにかく、痛い以外の感情が一切ない、動こうとしない、おもちゃや音楽に興味がない、お母さんが分かっているのかも分からない、食べるの拒否(これも嚥下機能ではなく、前頭葉が食べる指令を出してないと言われました)。
かろうじて意識があるのかなと感じるのは、小声で喃語を話す、触感のあるもの(つぶつぶボールなど)を手に当てると触る、リハビリで座位や立位時体に力を入れるくらい。
前頭葉が壊れるとこんな事になるんだとくじけそうになりつつも、体の機能は少しずつ回復していたので、ただそのことだけを支えに毎日リハビリに励んでいました
そしてそして
ここにきてやっと
前頭葉が目を覚まし始めていると感じています


運動麻痺回復のステージ理論で、最初の3ヶ月までに残存する機能の自然な回復、3〜6ヶ月で新しい経路の再構築による回復、6ヶ月以降では経路の効率化による回復、と書いてあるのを読んだことがあります。
娘は発病は6月末なのですが、8月末まで頭蓋骨の一部を外しており、主治医からは
「頭蓋骨を入れるまでは意識ははっきりしない」
「とにかく頭蓋骨入れてからヨーイドンだから」とよく言われていました。
今月で頭蓋骨を入れて4ヶ月目に突入。
運動麻痺回復の理論が前頭葉にも当てはまるのか分かりませんが、何となく新しい経路を作り始めたのかなと勝手に感じています(注:あくまで素人の私調べです
)
感情や行動の変化としては
○楽しい
10月中旬にぎこちなく初めて笑う。家族大喜び。リハビリ施設に移ってからは、保育の時間にみんなで歌ったり手遊びが大好きで、体を大きく揺らしたり声を出したり。
○恋しい
寝るときは隣にいて欲しい。母さんの抱っこが大好き。スキンシップが大好き、手を触りたい、ほっぺとほっぺをくっつけたい。
○寂しい
まだまだ一人で平気で座ってる時の方が多いけど、周りに誰もいない状況が続くと大きな声を出してアピールしている気がする。
○嫌
うつ伏せやチャイルドシートが嫌になってくると体を仰け反らせたり不快な声を出す。リハビリの歩行練習など、疲れると首を振っていやいやー。
○行動
あーんと言うと口を開ける、目の前に人や物があると分かると手を出して触ろうとする(目は見えていない)、豆椅子の右側に机がないと、どこー?と手で探している。
といった感じです
まだぜんっぜんですが、1ヶ月前まで痛いと楽しいしかなかったことを考えると大きな進歩です
未だに泣きませんが、経鼻チューブを抜く時など涙は出ていたし、寂しいという感情がうっっすら出てきたので、そういった感情があるのならあまり泣く泣かないにこだわるのはやめようと思えてきました
何より、
楽しい
人がそばにいると、触れてくれると、嬉しい
人に甘えたい
など、幸せな感情がたくさん戻ってきてくれた事で、私も毎日幸せです。
体に麻痺があり、発達も遅れ、その上目も見えない。
11月は、そんな娘を私は幸せに出来るんだろうかと絶望しかありませんでした。
でも、毎日たくさん抱きしめて、たくさん大好きだと伝えると、幸せそうに甘えた声を出す娘
幸せすぎて心がギューっと痛くなります
「まさか、2018年のうちに幸せだと思える日が来るとは思ってなかったわ…」と、主人とも話しました
今日も娘の頭に手を当てて、「○○ちゃんの頭がんばれー前頭葉がんばれー
」と祈りながら眠りにつこうと思います(←これ、毎日の恒例行事です笑)。
子育てママさん、明日も育児頑張りましょう
麻痺の皆さん、明日もリハビリ頑張りましょう