稚児桜澤田瞳子さんの作品は、緻密で華やかなイメージですがこの本に収められたそれぞれのお話もやはり艶やかな色彩を感じさせつつその陰に余韻を残す作品集でした。最後の作品の葵上は、心を捉えてなかなか放してくれそうにありません。読み終えたときからまるで心の奥に眩しいものを見た後の残像が染み付いたように私の中で小さくなったり大きくなったりしています。