常ということ
道徳というのは正義などとは関係がない。
生きるための智慧である。
もっとも、正義というもの自体かなりあやしい思想だけれど、まだその存在を否定できないでいる。
だから、そんなふうに思ってしまうのだけれど。。
いつかはそれを否定できるようになりたい。
そんな風にも思う。
「生きている人間とは、人間にありつつある一種の動物かな」
小林秀雄は言う。
死んでしまった人間とは、なぜ、ああはっきりとして来るんだろう。まさに人間のかたちをしているよ。
そのあとに続く言葉である。
生きる智慧とは、まさにそのようなもので、死んで しまったのちに正義となるのかもしれない。
いや、その正義とやらもこの世では、この世は仏説というようなものではない。
それは幾時、如何なる時代でも、人間の置かれる一種の動物的状態である。
彼なら、そういうかも知れない。