バリの神様
昨年、バリに行った際に、現地でケチャが見たくなった。
前日に、ウブドでバロンダンスを見て、バロンダンスよりガムランに感動してしまった。
たぶんあの不思議なゴン・クビャールの音色に、というかガンサGangsaという鉄琴型の旋律打楽器の生音にまいってしまったのだ。
バリ音楽はメロディもそうなのだが、どうもリズムにも秘密がある。そんなことは、後から考えたことなのだけれど。。
バロンダンスだけでは、片手落ちだ。やはり、ケチャを見なくてはいけない。
ケチャは、あの薪の火にあぶられるような、おとこたちの手の動きもそうだけれど、単純な声だけのリズム合唱が特徴的だ。
前にテレビのCMでやってたシーンが蘇った。
そうだ、ケチャを見よう。
そして。次の日の買い物にでかけた際、タクシーの運転手に聞いてみた。
「このあたりでケチャが見れるところはないか?」。
すると、今日タナロット寺院でやっていると言うのである。
その日、クタとレギャンで買い物をして、クタ周辺で、インド洋に沈む夕日をみながらバーベキューにでもかじりつこうと思っていた。タナロットはレギャンから直線距離で10数kmくらいの距離だ。
これ幸いとばかりに、夕方の予定を変更して、タナロット寺院に向かうことにした。
タクシー運ちゃんと交渉して、タナロット寺院の入り口で待ってもらうことにした。
寺院についたのは、まだ日も落ちる前だった。
タナロット寺院は、海に浮かぶ岩の上にある。寺院には異教徒は入れない。
岩にぶつかるインド洋の波は、しずかに見えて荒々しいようで、寺院の台座の部分は日本のODAで岩礁が補強されたそうだ。
ケチャはこの寺院の近くで行われる。もともと儀式舞踊なので、神さまに捧げるものなのだ。
どうでもよいが、この寺院の近くには野生のサルがいっぱいいる。
ボウシやらカメラをひったくられる観光客はいっぱいいて、寺院の入り口で参拝料とケチャのお金を払うときに注意された。
実際、見ていると私の近くでも、帽子をとられた子供がいて、それをとりかえそうと親たちが一生懸命だったが、すでにそのころには、噛み千切られてまだ新しかった帽子は台無しになっていた。
悪いサルである。まあ、サルというのはそういうものだ。
潮風になぶられながら、岸壁沿いを散歩する。岸壁の上をときどき猿たちが歩いている。
そうこうしているうちに夕方になり、会場に入った。
そこは広場になっていて、観客席が回りにひな壇のようにしつらえてある。
ひな壇のトイメにタナロット寺院が広場越しに見える。
雄大なインド洋に沈む夕陽は、明日を保障するように、とても力強く見えた。
こういう時間は久しぶりだった。しばし移り変わる夕焼けを眺めていた。
ということで、思ったより長くなってきた。
よって、次回につづくのである。



