チャは栄養生長部である葉を収穫するため、栄養に富み湿度の高い所で栽培すると良いものが作れる。これはミカンのような生殖生長部を収穫するものとは逆の環境である。
土壌が酸性であることを好み、最適pHは5である。お茶の品質は一般に窒素を多くするほど向上する(ある程度以上では効果は薄い)。そのため多施肥化が進み、日本などでは硝酸態窒素による地下水汚染が問題になっている[7]。
チャは古くから種子を蒔いて増やしていたが、1955年(昭和30年)頃に挿し木技術が確立された[8]。種子から育てたチャは、親木の性質をそのまま受け継ぐことがほとんどなく、葉の色、形、芽の伸び始める時期などが様々で不均一である。一方、挿し木で増やしたチャは性質が同じで、よく揃って芽が伸びるので都合が良い。また、挿し木技術の確立と前後して、茶業研究機関によってチャに自家不和合性があることが明らかにされた。その結果、茶園への栽培品種の導入が促進されることになった。今日ある茶園の多くでは、挿し木によって増殖された同一品種が栽培されるようになっている。
