『家族って何が?』
という環境で育った。

両親共に働いていて、
当時はそれが珍しかった。

父は単身赴任族でほとんど家に居らず、
11歳離れた兄は、
物心ついた時にちょうど大学生で家を出ていて、


あたしは、父方の祖母に育てられた。

育てられた?

まぁ、母親が働いていたから。

で、祖母は家に居たから。
そうなるよね。

ただ、祖母は、
育児放棄だった。

でも祖父は本当に優しくて、
あたしはおじいちゃん子だったけど、

祖父もずーっと、働きに出ていて、

昼間はずーっと、祖母と2人。
育児などせず、
でも何かあたしが悪いことをすると、
フトン叩きで殴ったり、
暗い部屋に閉じ込められたり、
怒ることだけはしっかりされた。

これは、あたしの父親にもしてきた事で、
だからあたしの父親も、
母の愛を知らずに育ち、
父もあたしを愛することをしなかった。

あたしは子供はいないけど
ずっと兄夫婦に代わり、
姪を3人育ててた。

1日、保育園の送り迎えも、
朝早くに起きてお弁当も作ったし、
体調が悪ければ病院にも連れていったし。

自分が子を育てて初めて知るんだ。

祖母のやってきた事が、
虐待だったということを。

あたしは、
病院が怖くて泣いてる子供に、
黙れ、とビンタなんか出来ない。
むしろ可哀想で抱きしめていた。

うんちが出ないからと出るまでトイレに閉じ込めたりもしなかった。
泣きながらおしりが避けて、
血だらけになって、
それでもトイレから出して貰えなくて。
 

あたしは子供は苦手だけど、

泣いてる子供はもって苦手だけど、

姪が泣いてたら
かわいくて抱きしめてしまうよ。


でも唯一、
あたしに無償の愛をくれた人が、

やはり母親だった。

当然、姑とは折り合いは悪かったけど、
じっと耐え抜いて、

今でも唯一、
心配してくれる母。

だから、
あたしの家族は、

母しか居ないのだ。