いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

乳児院って、世の中の皆さんにはあまり知られていない施設かなと思います。
なので、今日は、乳児院の生活をちょっとだけお話したいと思います。

助産師学校の社会学の授業では、過去に1度だけテレビで放送された乳児院のドキュメンタリーを見ましたが、

その先生いわく、その放送の乳児院の実態から、乳児院=子どもがかわいそうみたいなマイナスイメージがついたらしく、 

(決してそんなことないです~!)


それ以来、全国の乳児院では、取材は受けないということになったらしいとのことでした。

フィクションですが、ドラマの「コウノドリ」に少し乳児院が出てきますね。
サクラ先生が自身の育った乳児院の先生に偶然再開し、訪問するシーンでした。

あの回はたしか、中学生の妊娠というテーマの回で、迫真の演技で最後は涙腺崩壊だったのですが、(←当時の私はただの看護学生でした)

今見返すと、最後の涙腺崩壊シーンと同じくらい、
乳児院の先生が幼い頃のサクラ先生と別れるシーンも涙腺崩壊します。

実際には、担当児の退所に担当が立ち会わないなんて、突然帰らない限りはないんですけどね。

でも、乳児院を出るときのサクラ先生くらいの年齢まで長く一緒にいた子を、涙なく見送るのは難しいくらい、職員にとっても淋しいことです。
(卒園していく子どもを見送る保育園の先生とは全然違う心境だと思います。)

本題に戻りましょう。

私たちの施設はわりと古い方なので、横割りの大部屋で、雰囲気的には保育園に近い感じがします。

最近は、ワンルームのお部屋に子ども5~6人を縦割りにしているところも多いみたいですね。

小規模で少人数な方が、おうちの環境に近い感じなので、
今は施設は小規模化の方向にあるみたいです。

ただ、小規模だと人手が限られてしまって、
特に縦割りだと、なかなか小さいお子さんを受け入れるのに制約があるようです。

乳児と幼児では、必要な大人の人数も違いますし、生活に必要なものも違うので、
依頼が来たからどの子でも受け入れ、ってわけにもいかないのでしょうね。

その点、横割りだといろんな年齢の子を受け入れやすいですが、
大部屋だと、コロナやインフル、RSのような感染症がいっきに広まるので、その点でも大変です。

乳児院から外に出る機会は限られているので、大人が持ち込まなければいいのですが、
実際には様々対策をとってもなかなか難しいですね。

そして、乳児院の生活ですが、これはごく普通の子どもの生活と一緒です。

朝起きて、ご飯を食べて、着替えて、活動して、ご飯を食べて、お昼寝して、おやつを食べて、活動して、お風呂に入って、ご飯を食べて、寝る。

おうちの子どもと違うのは、日課がきっちりしていることと、活動の時間があることでしょうか。

施設でも掃除、洗濯や食事の配膳などの作業はありますが、職員はシフトごとに活動に入る時間、雑用する時間が決まっています。

なので、ママが家事をする間に一人で遊んだり、ママのお買い物や予定に付き合ったりすることがありません。
その分、大人とじっくり遊べるのが特徴です。

ただ、大人が常に積極的に遊んでくれるというのはある意味手厚いですが、
世間の子どもと違う体験をして育つことは本当にいいことなのか、
個人的には疑問に思うことがあります。

絵本読みでも、みんなに見えるように絵本を向けながら読んだりしますからね。大人のお膝で読んでもらったり、向き合って読んでもらったりといった経験はゼロではありませんが、圧倒的に少ないです。

その他にも、ご飯は美味しいですが、ある程度冷まして切ってあって、食べやすい状態で出てきたり、
服を着た大人にお風呂に入れてもらったり。

もちろん、そういった点も時々は普通のおうちと同じような経験ができるよう、目の前で調理員さんが調理しにきてくれたり、
大人と1対1でお風呂に入ったりする機会は作っていますが、

なかなか100%おうちの子どもと同じように経験するのは難しいですね。

まあ、おうちも生活習慣は様々なので、
何が普通で何がそうじゃないかというもナンセンスですが。

仕事としては、さっきも少し出てきましたが、あらゆる職業の中で一番「感情労働」なんじゃないかなと思います。
一緒にお出かけしたら、こっそりお土産を買ってあげたくもなりますし、
お昼休みを一緒に過ごす時もあります。

愛着は相互関係ですからね。
子どもに愛をもって接していかなければいけない一方で、

私たちもまた、子どもの愛を受け取り続けている、

幸せな仕事だなと思います。

では、今日はこのあたりで。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。