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あい♥のブログ

ポケモンとガルフレが大好きな大学生が、気ままに更新する、愛がいっぱいのブログです♥


昼休み。校庭の片隅にある花壇の傍のベンチで、私とひかりは並んで腰をおろしていた。
「ねえ、ひかり・・」
ひかりは私をみてにこにこ笑っている。
私はひかりの耳元に口を近づけて、すこし大きな声で話しをする。
「あなた、どうしてあんなプレーが出来るの?」
「あんなプレー・・?」
「うん。盗塁とか・・守備とか。大輔さんが言ってた。」
「なんて・・?」
「不思議だって。」
「・・・」
「なにか・・不思議な力を持ってるんじゃないかって。」
「・・・」
「ね、ひかり。私、知りたい。あなたが、どんな力を持ってても・・」
あなたである事にかわりがないから、そう言おうとした時、ひかりが口を開いた。
「不思議・・じゃないよ」
「え?」
「だって、まゆ。」
「うん?」
「まゆ、自分の耳がちゃんと聞こえるのって、不思議だって思う?」
「そ・・それは」
「私は、不思議。なんでまゆは・・みんなはちゃんと聞こえるんだろうって思う」
私は言葉に詰まった。まさか、ひかりがそんな風に思っているとは考えなかった。
「私にはわからない。みんなはどんな風に聞こえているのか・・。それは、私にとっては不思議な力なの」
そして、ひかりは私を見詰めて言った。
「私、自分が不思議な力を持っているとは思ってない。私・・まゆと同じ人間だもん」
「ひかり・・」
ひかりは涙を浮べていた。哀しみ・・。深くて暗い哀しみが伝わってくる。
「ひかり、ごめんね」
私はひかりを抱きしめた。
「あなたを、不思議とか、もう言わないから」
さぁっと、風が吹く。
花壇の花が揺れる。
ひかりの哀しみの色が、すこしづつ薄まっていくのを感じた。
「まゆ。。ごめんね。ありがとう」


南陽高校。
地方予選の本命で、最近では2度、甲子園の土を踏んでいる。
エースの比嘉はプロのスカウトの注目を集める本格派左腕。
その豪腕からは140km後半の直球が投じられ、また、鋭いスライダーとチェンジアップが持ち球だ。
その南陽高校が、次の対戦相手だ。

「省吾、ついてない・・と思うか」
「ああ・・少しはな」
「そうだな。出来れば決勝まで当たりたくない相手である事は間違いない」
「まあ・・な。でも」
「でも?」
「もし、ここを突破できれば・・!」
「お・・おう」
「それに、俺達にはあいつがいる」
「・・春賀か?」
「ああ。あいつのプレーは、なにか、わくわくするものがある」
「わくわく・・か」
「観念しろ、大輔。最後の夏だ。楽しもうぜ」
「お、おう!」

南陽高校、野球部の部室。
「春賀光。16歳、二年生。えっと、173cm、55kg。左投げ左打ち、中堅手。」
スコアラーを囲んで、部員が聖櫻学園のデータを分析している。
「55kg?なんじゃそりゃ。もやし君じゃないか(笑)」
「5打数5安打4四球。打点・・3に盗塁5」
「ほう・・」
「やるねぇ、もやしくん(笑)」
「もやしくんじゃなくて、ラッキーくんかもなw」
ざわつき始める部室の空気を、監督の安仁屋(あにや)が制した。
「静かにしろ・・。」o
そして、ナインを見回して言う。
「油断するな。この相手チームはな、油断から自滅している。だが・・」
もう一度、力を込めてナインを見回し、
「いずれにせよ、お前らの敵ではない」

夏の甲子園大会地方予選、第三回戦。
その試合は、刻々と近づいてきていた。


WONDER-八 「対南陽高校戦」に続く…